2003年12月14日
川俣晶の縁側ソフトウェアMagSite1開発日誌total 2910 count

1つのMagSite1を複数ユーザーで使うことの是非

Written By: 川俣 晶連絡先

 どうも、根本的な誤解が広がっている懸念があります。

 MagSite1というのは、基本的に一人で独占して使うものです。

 一般的なblogツールも、同様だと思います。

 1つのURLを持つ1つのMagSite1は一人のユーザーが独占的に使うことが基本です。たとえば、Aさんの日記、Bさんの独り言、Cさんの技術情報、というようにキーワードを作成して、1つのMagSite1を複数のユーザーで使うことは、好ましいことではないと考えています。

なぜ好ましくないことが増えているのか §

 しかし、どうして、好ましくない使い方が増えているのでしょうか。

 考えてみると、このオータムマガジンそのものが悪しきお手本となっている可能性に気付きました。

 このオータムマガジンのトップを見ると、いきなりこんなことが書いてあります。

 このサイトの3つの書き手の表紙は以下にあります。

 [川俣晶の縁側][遠野秋彦の庵][トーノZERO]

 これが、誤解の元、悪しきお手本となっているのでしょう。たぶん。

 あえてここで断言しますが、オータムマガジンの構成は、極めて特殊な例外であって、これをお手本にすることは全くお勧めではなく、むしろやめるべきです。

 オータムマガジンというのは、実は、オータムマガジンという企画として、慎重に練り上げて構成したものです。MagSite1というソフトとは別に、サイトの企画が練られています。関係者全員が一同に会して、じっくり企画や構成を練ること抜きに、これと同程度に上手くやることはできない、と思って良いと思います。

どんな問題があるのか? §

 では、1つのMagSite1の複数利用者が共存することは、どういう問題があるのでしょうか。

人と人とが比較されてしまう問題 §

 まず、アクセスカウントが不均一になり、トップページのランキングに表示されるコンテンツの書き手に偏りが出る問題があります。特定の人気のある書き手のコンテンツだけが、いつもランキングに表示される事態は、カウントの少ない書き手からは面白く感じられないでしょう。コンテンツの価値は、カウントの大小で決まるものではないのです。MagSite1が用意したカウント値は、あくまで、ある特定の一人が書いたコンテンツ群内での人気を見るためのものです。読者に受けると思ったコンテンツと実際に受けたコンテンツのギャップを見せたり、読者が、自分の気に入ったコンテンツと多く読まれているコンテンツとのギャップを見たりするために用意したものです。人と人とを比較するためのものではありません。

見通しの悪いキーワード階層の問題 §

 次に、キーワード階層が不統一になり、読者から見て分かりにくくなる危険があります。オータムマガジンの場合、全体のキーワードのツリー構造などは、オータムマガジンという一体のサイトの構成として慎重に決定されたものです。複数の利用者が、1つのMagSite1内で、相互に相談することなくキーワードを設定した場合、オータムマガジンほど見通しの良いキーワード階層にならないと思います。見通しの悪いキーワード階層は、読者に悪い印象を与える懸念があります。

分離独立し難い問題 §

 それから、1つのMagSite1内のコンテンツは、分離独立させるのが難しいという問題があります。サーバに掛かる負荷分散などの目的で、人気コンテンツを持つ利用者を別サーバに移動させる、といった作業が必用とされる場合があります。しかし、アクセスカウントの記録に凝った構造を導入しているので、特定のキーワード以下のコンテンツを別にサーバに移す、といった作業はかなり難しい状況です。これは、それを行うための移行ツールを作成すれば対処できますが、他にも問題があります。それは、URLの変更が不可避であるという問題です。次に続きます。

負荷分散問題 §

 キーワードでユーザーを分けた場合、ユーザーの指定はURLのパラメータに記述されることになります。ホスト名やディレクトリ名はユーザーが変わっても同じものが使われるので、これらによってアクセス先のサーバーを分けることができません。もし、個々の利用者が同じサーバ上の異なる位置に配置されたMagSite1を使っていれば、引っ越しの手間は軽いものになります。更に、それぞれが異なるバーチャルドメイン名を与えられていれば、特定の利用者のMagSite1だけ別のサーバに引っ越しさせることは容易になります。読者からは一切変化がないかのように見せながら、他のサーバにコンテンツを移動させることができます。

まとめ §

 とりあえず、すぐ思い付くだけでも、これだけの問題があります。

 そのような理由から、1つのMagSite1を複数ユーザーで使うことは、全くお勧めではない、ということを明確にしておきます。

最後にひっそりと §

 ちなみに、オータムマガジンは、ペンネームを使い分けているだけで、一人で独占的に運用されているものです。複数ユーザー利用のお手本などでは全く無い、ということを、ひっそりと訴えておきます。

2003年12月15日13時30分ごろ追記 §

 この文章は、1つのMagSite1を複数ユーザーで使うことの全てを否定している訳ではありません。たとえば、1つのオンラインマガジンを複数のライターが共同で作り上げていくような形態のために、1つのMagSite1を複数ユーザーで使うことは正当な使い方の範囲内にあります。むしろ、それは応援すべきことだと思います。問題なのは、1つの作品として一体のものを作っていこうとしているのか、というスタンスの有無にあります。一貫性と作品性のあるサイトを作り出すために、書き手が一人であるか、複数であるかは重要な問題ではありません。

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