べらぼうに面白くて、一気に読まされてしまいました。
さすが、成熟したベテラン作家、吉岡平ですね。
ユリコさん、大好きです §
キャラクターの魅力としては、ユリコが特に突出して素晴らしいですね。完璧な美人であり、かつ、悪漢を容赦なく叩きのめす戦闘力の高さ。何もかも完璧です。完璧すぎて、凡人が手出しできないぐらい隔絶した美人であるという感じが、凄く良く出ていて、そこが魅力的ですね。
そして、その隔絶した美人と付き合う方法として、とことんボケまくるという方法もあるわけですね。別のタイプになってしまえば、完璧な美人とも付き合えます。それがタイラーですね。
私も、うかつなことを言うごとにボコボコにされながらユリコさんとおつきあいしたいものです。
予想を超えた展開の連打 §
ストーリーの方も、あまりに意外な展開の繰り返しにクラクラさせられました。
特にヤスダとの再会(?)のあたりは、こんなことまで描くとは、と思います。
そして、最後の最後のスカッとしない終わり方。サイラやキイムは、けして納得できる結末を迎えたとは言えません。
しかし、それでも関係者がそれなりに納得する形で終わり、あれらの未来の物語に続く状況を作り上げたという点では、確かに終わったと言えますね。
おそらく、未来の物語と無矛盾で、もっとスカッとした終わり方も不可能ではなかったと思うのですが、それでもこの終わりを選んだというところが、作者の度量の大きさ、あるいは小説とはなんぞやということへの的確な理解の現れなのかもしれません。
まあともかく、とても面白かったです。読んでいて飽きませんでした。それに尽きますね。