2002年03月18日
トーノZEROアニメ感想機動戦士ガンダムtotal 5923 count

宇宙世紀の駄ッ作機 CX-78 ガンペリー(続き)

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 サイド7で正規の軍人の大半を失い、ほとんどが素人という状態でジオン軍の追撃から逃げ続けたホワイトベース隊も、マチルダ・アジャンの輸送隊と出会う頃には、既に戦争に慣れ始めていました。

 彼らは、敵地である北米を脱出することに成功したことにより、いくらかの自信を得ていました。

 そこで、彼らにも少し欲が出てきたことは間違いありません。敵が攻撃してくるから、手近の武器で反撃するというだけでなく、日頃から各種装備の使い方に習熟し、それらを有効に活用したいと考えました。当然のことながら、それが確実に生き延びる第1歩でもあります。

 それまでは、見よう見まねで使ったり、マニュアルを拾い読みしながら必要な箇所だけ確認していたのですが、この頃から様々な装備の各種マニュアルを最初から通して読むことが行われるようになりました。

 その結果、意外にも、というべきか、やはり、というべきか、彼らの手元にある装備にはもっと様々な可能性が眠っていることが分かりました。

 その1つが、RX-78の空中換装です。敵が出現した場合、迅速にコアファイターが出撃して時間を稼ぎ、その間にガンペリーでRX-78のパーツを運び、空中でドッキングして完全なRX-78になる、という運用方法がマニュアルには事細かに説明されていました。

 それを発見したブライト・ノアは、これこそがV作戦の本来のやり方だと直感しました。その直感は間違いではありませんでした。確かに、それはもっとも重視された戦い方の1つなのです。といはいえ、実験の結果放棄された危険すぎる方法でもありました。

 しかし、ブライトはそんな経緯は知りません。空中換装を実戦で使わせるだけでなく、常日頃から何度も訓練させ、コンマ1秒でも早いタイムで空中換装を完了できるような猛訓練まで実行させました。確かに戦場で空中換装することを考えれば短時間で完了できるに越したことはありませんが、たたでさえリスクが大きく緊張する操作を急かせたところで、得るモノは小さく、万一の時に失うものは過大であると言えます。ホワイトベース隊で致命的な事故が起こらなかったのは、ひとえにアムロ・レイという天才的なパイロットの功績と言えます。しかし、そのアムロをもってしても、失敗する確率がゼロとは言い切れない状況でした。

 ここで問題になるのは、こんな危険な空中換装は、止めた方が良いとホワイトベース隊に告げる者が誰もいなかったことです。ホワイトベース隊としばしば接触したマチルダ・アジャンは、V作戦の詳細を知る立場にあったにも関わらず、そのようなアドバイスを行った形跡はありません。彼女は、ホワイトベース隊の良き理解者として紹介されることが多いようですが、実際にはホワイトベース隊をモルモット扱いして冷酷に観察している視点もあったように思われます。もし、マチルダ・アジャンがオデッサの戦いで戦死していなければ、ホワイトベース隊には、更に危険な戦法や、信頼性が未知の新兵器が押しつけられていた可能性も考えられます。

 さて、空中換装は危険、という話は、ホワイトベース隊がベルファストで修理を受けている時に、技師から伝えられました。ホワイトベース隊、特にブライト・ノアは、そんな危険なことをやっていたのかと真っ青になりました。しかし、軍隊というものが分かっているブライトはそれを心の中に仕舞い込んで、誰にも文句など言わないことにしました。

 ベルファストで空中換装は2度とやらないと決めたホワイトベース隊ですが、そうするとガンペリーの使い道が無く遊んでしまいます。

 一方、大西洋を越えるに当たって、一時的にホワイトベース隊に対潜哨戒機のドン・エスカルゴの1個小隊を搭載することが検討された。しかし、ホワイトベースのカタパルトとは規格が合わず、この案は流れました。とはいえ、対潜装備無しで大西洋を渡るのも危険と考えられ、とりあえず、対潜ミサイルの簡易ランチャーでも一時的に甲板上に設置して……という話をしているときに、誰かが遊んでいるガンペリーのことを思い出しました。ガンペリーのカーゴスペースに、対潜ミサイルの簡易ランチャーを設置してしまえば、ホワイトベースの甲板に付けるよりも、もっと有効に使えるのではないか。

 そのアイデアは即座に突貫工事で実現されました。しかし、あくまで応急的な作業であるため、実際に大西洋上で使用したときには、コクピットからの制御回線が外れてしまうという事態もあり、あまり成功したとは言い難い応急改造だったと言えます。現実には、水中の敵を察知するためのソナーなどの装備もなく、ガンペリーを対潜攻撃に使うことのメリットも乏しく、使用された事例は、これ一度きりでした。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

Facebook

キーワード【 トーノZEROアニメ感想機動戦士ガンダム
【機動戦士ガンダム】の次のコンテンツ
2002年
03月
19日
宇宙世紀の駄ッ作機 CBA-05 ドダイGA/YS
3days 0 count
total 9348 count
【機動戦士ガンダム】の前のコンテンツ
2002年
03月
17日
宇宙世紀の駄ッ作機 CX-78 ガンペリー
3days 0 count
total 7333 count

このコンテンツを書いたトーノZEROへメッセージを送る

[メッセージ送信フォームを利用する]

メッセージ送信フォームを利用することで、トーノZEROに対してメッセージを送ることができます。

この機能は、100%確実にトーノZEROへメッセージを伝達するものではなく、また、確実にトーノZEROよりの返事を得られるものではないことにご注意ください。

このコンテンツへトラックバックするためのURL

http://mag.autumn.org/tb.aspx/20020318234652
サイトの表紙【機動戦士ガンダム】の表紙【機動戦士ガンダム】のコンテンツ全リスト 【機動戦士ガンダム】の入手全リスト 【機動戦士ガンダム】のRSS1.0形式の情報このサイトの全キーワードリスト 印刷用ページ

管理者: トーノZERO連絡先

Powered by MagSite2 Version 0.36 (Alpha-Test) Copyright (c) 2004-2021 Pie Dey.Co.,Ltd.