2002年03月19日
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宇宙世紀の駄ッ作機 CBA-05 ドダイGA/YS

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 地上に降りたジオン軍がすぐに実感したのは、モビルスーツは地上では鈍重であるといういかんともしがたい事実でした。宇宙では、自由自在に機動して大型戦艦すら翻弄したザクが、地上では連邦軍航空機に翻弄されてしまうのが現実でした。何しろ、無誘導爆弾を有視界照準で落とすだけなら、電子機器を使わない昔から有効な戦法であったわけで、ミノフスキー粒子を散布しても防げはしなかったのです。

 それでも、連邦軍側に無誘導爆弾のストックが少なかったり、電子機器を使わない直接照準になれていないパイロットが多かったため、ジオン軍は何とか状況を乗り切ることができました。しかし、それはあくまで過渡期の状況であることをジオン軍もよく分かっていたので、敵航空機を蹴散らすための戦闘機を急いで用意していました。

 しかし、これだけ手強い兵器なら、防ぐだけでなく自軍にも欲しいと思うのが道理です。さっそく、ドップの場合と同じように、ジオン占領地から何かすぐに使えそうな開発プランがないか捜索が始まりました。

 そこに、ビジネスチャンスと見たとある航空機メーカーからタイミング良く提出されたのが、大型対地攻撃機エレファントの開発プランです。速度は遅いが、大きな搭載量と長大な航続距離を持った対戦車攻撃機でした。これは、連邦軍のコンペでフライマンタに敗れたプランでした。当時の連邦軍が、迅速に展開するための最大速度を重視していたので、速度の遅いプランは相手にもされなかったのです。

 しかし、ジオン軍は速度を重視していませんでした。ジオン軍は搭載量の多さに喜び、さっそくジオン軍向けに小さいアレンジを加えて量産しようと準備を始めました。

 ところが、ジオン軍の偉い人があることに気付きました。一説にはマ・クベであるとも言われます。この攻撃機の搭載量の数値を見て、それがザクの重量とほぼ同じであることに気付いたのです。ザクの輸送に苦労しているジオン軍ですから、この機体でザクも運べれば、もっと最前線で役に立つと考えたわけです。

 そのアイデアは、偉い人たちの会合で話題になるごとにスケールアップしました。

 最後には、ザクと若干の爆弾を搭載して敵地に侵入し、ザクを地上に降ろした後に爆弾でザクの戦闘を支援する機体、という目標が決定されました。

 驚いたのは開発チームです。一応、空力を考えた形状の航空機用爆弾だから、それだけの搭載量を積んで安定飛行できるのであって、ザクのように航空機の下に吊して飛行させることを考えていない巨大重量物で同じ重さが運べる訳ではないのです。

 しかも、どうやってザクを機体の下に吊すのかが問題です。着陸状態で、機体の下にザクを入れて取り付けるには、ザクは巨大すぎます。

 最初は、ザクにワイヤーを張って、飛行する航空機側のフックで引っかけるという方法も検討されまし。しかし、さすがに一歩間違えば大惨事に成りかねないので、見送られました。

 結局、ホバリング機能を与えて、ゆっくりと上空から近づいてフックを掛ける方法しかないという結論になり、機体はVTOL機に全面変更になりました。

 その結果、スケジュールは大幅に遅延し、ドップのように迅速に量産して戦場に展開することは不可能になっていました。この時点で、最前線からは文句が次々と寄せられましたが、決まってしまったことは今更覆せません。

 エンジンを熱核エンジンに変更したおかげで、何とかVTOL性能と指定された搭載量は確保されましたが、ザクを釣り下げた状態での飛行姿勢の不安定性はどうにもなりませんでした。これを克服するために、飛行試験と設計の改修が繰り返されました。

 これでまた、スケジュールは延びました。

 そして、どうやら、最低限、目標を満たす機体が完成しました。この機体は、大気圏内輸送爆撃機(CBA)というカテゴリに分類されCBA-05という型式番号が与えられました。05というのは、結局量産に移されなかった出来の悪い兄貴達の数を暗示する数字と言えます。もちろん、量産もできないような機体に制式ナンバーを与えることそのものが異常事態と言えますが、それほどこの機体への各方面の機体が大きかったため、ということが言えるでしょう。

 そして、偉い人がうやうやしく、この機体にドダイの名前を与えました。アルファベットで表記すればDoDi。これは、Double Diabloつまり、二重の悪魔という言葉を縮めたものです。ザクの輸送機と爆撃機の二つの顔を持つ敵にとっての悪魔になって欲しいという願いを込めて付けられた名前でしょう。

 しかし、戦場に出たドダイは、二重の悪魔どころの話ではありませんでした。続きます。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

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