2002年03月21日
トーノZEROアニメ感想機動戦士ガンダムtotal 5238 count

宇宙世紀の駄ッ作機 MS-09 ドム

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 1年戦争開戦前夜、急速に軍事力を増強するジオン公国は、軍事産業にとっては利権の宝庫でした。それらの利権を、様々な企業が奪い合っていました。その原因は、ザビ家独裁と言われる法治と言うよりは人治主義にありました。要するに、ザビ家の誰かにコネを付ければ、それだけで美味しい利権に食らいつけるのです。しかし、同じ利権をザビ家の別の人間が斡旋してしまうとザビ家内でも大きな対立が生じてしまいます。

 これを解決するため、ザビ家の主立った者が集まり、主要な企業の利権の範囲を線引きする協定が結ばれました。

 その結果、ジオン公国関連の軍事企業は、艦艇担当、人型兵器担当、その他担当に分類され、それぞれに属する企業は、他の分野への進出は不可とされたのです。当然、艦艇担当は大型ドックを所有する企業が独占し、ザビ家との太いパイプを持つ目ざとい企業が人型兵器を独占し、どちらにも当てはまらない貧乏くじを引いた会社がその他を担当することになりました。

 さて、1年戦争が始まり、ザクの大活躍により、人型兵器を担当した企業群は大儲けでウハウハでした。ところが、戦争の拡大に連れて、人型ではない兵器に需要も高まっていました。その結果、負け組と思われたその他担当企業も徐々に力を付けてきました。

 その他企業は、主導権を一気に奪うために、モビルアーマー構想を打ち出しました。ザクが人の形をしているのは、いろいろな意味で準備不足の状況で早急に決戦兵器を形にする必要があるために選択されたものでしかありません。人型にこだわらなければ、もっと優れた兵器を開発できるとはずです。そう彼らは主張しました。

 もし、その主張が通れば、人型兵器担当企業は貴重なもうけ口を失うことになります。彼らは人型ではない兵器を売ることはできないのです。そこで、様々な人型兵器のアピール活動が行われました。

 その中の一つが、最強の地上兵器となる人型兵器の開発でした。戦車よりも対地攻撃機よりも強力な人型兵器を作ってみせれば、人型兵器でも十分に役に立つとアピールできると考えられたのです。

 そこで、ともかくそう言うものを作れと技術者達に指令が下されました。

 驚いたのは技術者です。いくら何でも、2本の足で仁王立ちする巨大な金属の塊は、それだけで、的にしてくださいと言わんばかりの弾を当てやすい存在なのです。いくら分厚い装甲に守られているとはいえ、何発も直撃を食らえばタダでは済みません。しかも、連邦軍はザクの装甲を打ち抜ける砲を重点的に生産、配備しているという情報すら伝わってきました。目ざといモビルスーツ指揮官はモビルスーツを腹這にさせ、なるべく敵弾に当たりにくく工夫していましたが、もともと直立状態で使うことを前提にしたザクですから、腹這にしてしまっては能力を十分に発揮できません。

 移動能力も、2本の足で歩かせるという前提である限り、足の動作速度によって最大速度は制限されてしまいます。しかも、重量が2つの足に集中するので、脆い地面では安定して歩くことすら難しいのです。

 そして、極めて多くの関節部分は、明らかにモビルスーツのウィークポイントと言えました。巧妙に隠れた歩兵が至近距離から放つ小型ミサイルの一発で、膝関節を破壊され、稼働不能に陥ったザクも珍しい話ではありませんでした。

 つまり、人型であること、そのものが地上戦ではウィークポイントと言えたのです。

 馬鹿正直に作っていては、絶対に人型兵器の不利は避けられませんでした。

 知恵を絞った技術者は、最終的に1つの結論に達しました。つまり、要求されたのは人型の兵器であって、2足歩行する兵器ではない、と考えたのです。

 足の部分に熱核エンジンを装備してホバー走行させてしまえば、少なくとも最大速度は稼げます。また、足の関節を動かす必要も無いので、ウィークポイントも減らせます。ホバー移動するなら重心を下げないと転倒の危険があるので、身長も下げ、それにより多少は敵弾に当たりにくくなります。

 このようなコンセプトで開発が始まりました。さすがに、足の関節を全て無くすというアイデアは受け入れられませんでした。ホバー走行が発生させる突風と熱は味方にも危険であり、味方陣地内では通常歩行も必要とされたのです。しかし、それ以外のアイデアは順当に実現され、MS-09ドムとして完成したのでした。ドムとは、丸っこい形状からドーム(DOME)と呼ばれていたものを、それでは強そうではないという理由で、最後のEを取ってドム(DOM)と称したものです。

 さて、人型兵器の強さをデモンストレーションする準備は整いました。さっそく、3機のドムが地球に送り出されました。

 続きます。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

Facebook

キーワード【 トーノZEROアニメ感想機動戦士ガンダム
【機動戦士ガンダム】の次のコンテンツ
2002年
03月
22日
宇宙世紀の駄ッ作機 MS-09 ドム(続き)
3days 0 count
total 6162 count
【機動戦士ガンダム】の前のコンテンツ
2002年
03月
20日
宇宙世紀の駄ッ作機 CBA-05 ドダイGA/YS(続き)
3days 0 count
total 7519 count

このコンテンツを書いたトーノZEROへメッセージを送る

[メッセージ送信フォームを利用する]

メッセージ送信フォームを利用することで、トーノZEROに対してメッセージを送ることができます。

この機能は、100%確実にトーノZEROへメッセージを伝達するものではなく、また、確実にトーノZEROよりの返事を得られるものではないことにご注意ください。

このコンテンツへトラックバックするためのURL

http://mag.autumn.org/tb.aspx/20020321212545
サイトの表紙【機動戦士ガンダム】の表紙【機動戦士ガンダム】のコンテンツ全リスト 【機動戦士ガンダム】の入手全リスト 【機動戦士ガンダム】のRSS1.0形式の情報このサイトの全キーワードリスト 印刷用ページ

管理者: トーノZERO連絡先

Powered by MagSite2 Version 0.36 (Alpha-Test) Copyright (c) 2004-2021 Pie Dey.Co.,Ltd.