2002年03月31日
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宇宙世紀の駄ッ作機 MAN-08 エルメス

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 1年戦争最大の謎、エルメス事件。

 この解釈はいろいろ行われていますが、その真相は未だに藪の中です。

 人によっては、ビットやサイコミュの存在を否定し、エルメスすら実在しないとする人もいます。一方、ニュータイプの覚醒は実際に起こった出来事であり、ララアとアムロこそニュータイプの始祖とする意見もあります。更にとんでもない意見になると、ララアとアムロは戦場でセックスを行ったというものまであります。

 この事件が混迷するのは、事件の目撃者であるシャア・アズナブルと、セイラ・マスが両名ともニュータイプ思想の提唱者であるジオン・ダイクンの遺児であり、ニュータイプ思想に有利な証言をした疑いがぬぐい去れないことです。

 ここでは、独自の視点でエルメス事件の真相に迫ってみたいと思います。

 なお、筆者の立場は人類の革新を否定するものではありません。生活環境の変化に伴い、人類そのものが変化していくことは当然ありえることでしょう。実際に宇宙生活が何世代にも渡ると、空間把握能力が向上するといった報告もあります。しかし、心と心で会話ができるとか、解り合えると言った話になると、それ自体、宇宙への適応とは何の関係もなく、しかもごく限られた特殊な者にしか発現していない能力と言えます。これが人類全体の革新とは別個のものであることは間違いないでしょう。

 さて、まず最初に検証するのは、宇宙要塞ソロモンにおける謎の爆沈事件です。連邦軍が宇宙要塞ソロモンを占領した直後、ソロモン周辺に停泊中の宇宙艦が、次々と謎の爆沈を起こしました。その際、「ラ…ラ…」という謎の声を聞いたという証言が多数あったと言われます。これが、ララア・スンとエルメスによる最初の攻撃であると言われています。

 しかし、この当時の資料を見ると、確かに爆沈事件と、謎の声の記録はあるものの、両者の間に直接の関係はありませんでした。つまり、爆沈が起きたとき、必ず謎の声が聞こえていたというわけではないのです。

 更に、ソロモン周辺で爆沈した艦艇については詳細な調査が行われており、これらの艦はジオン軍の散布した機雷に接触して沈んだことが確認されています。実際に、爆発しなかった機雷も多数回収されており、爆沈の原因が機雷にあることに疑いはないとされています。つまり、ビットの存在を考えに入れなくても、この事件は全て説明可能であり、証明済みとなっているのです。

 それでは、この機雷はどこから来たのでしょうか。当初は、ソロモンから撤退するジオン軍がソロモン周辺に残していったものではないかと考えられていました。しかし、撤退後すぐには爆沈事故が起きていないことから考えて、その後に接近したジオン艦が放出していったものである可能性が高いとされています。宇宙ではわりと正確に機雷を流すことができます。ソロモンのような大きな目標に向かって機雷を流すことは容易で、ニュータイプ能力は必要ではありません。

 通常、宇宙要塞ともなれば、そのようにして流される機雷や、宇宙デブリとの衝突事故などに備えて全方位の監視システムが稼働しているものです。この爆沈事件は、連邦軍がソロモンの施設を掌握するまでの期間に限って起こり、監視システムが完全に稼働するようになったあとには1件も起こっていません。

 さて次は謎の声ですが、現在は「ラ…ラ…」という女声が聞こえたというのが定説になっています。しかし当時の記録を見ると、「ラ…ラ…」だけでなく、様々な声が聞こえたということが分かります。男の声であったり、悲鳴であったり、すすり泣くような声であったり、様々なものが証言されています。

 これらは各所が破損した宇宙要塞ソロモンから空気が漏れたり、きしんだりする音が人の声のように聞こえたという解釈が妥当のようです。ソロモンの全面補修が完了すると、その後、謎の声が聞こえるという事例は嘘のように消えて無くなります。一方、既にエルメスが撃破された後であっても、謎の声を聞いたという証言は存在します。

 この他、通信記録の中に、電波の全周波に「ラ…ラ…」という音声が流されていたとする報告が残されています。大きな金属物体にこの電波が共振し、「ラ…ラ…」という微弱な音を発していた可能性が指摘されています。このような現象は、ラジオ局の近くでラジオでもない金属物体がラジオの音を発するという事例もあることから、あながち無いとも言い切れません。

 以上から結論できることは、ビットによるソロモン周辺艦艇への攻撃は存在しなかったことと、ララア・スンの存在を示唆する「ラ…ラ…」という音声電波の発信があったことです。

 これは、強力なニュータイプ専用新兵器が存在するかのように欺瞞する行為が行われたと考えることも可能ではないでしょうか?

 問題は、この欺瞞が誰に対して行われたかです。ジオン軍が連邦軍を混乱させるために行った欺瞞工作と考えることはできますが、実際にはジオン軍の関係者もエルメスの戦果を信じていたふしもあり、一概には言い切れません。

 続きます。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

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