2002年04月01日
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宇宙世紀の駄ッ作機 MAN-08 エルメス(続き)

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 次に、エルメスの実在性について検証してみましょう。MAN-08という型式番号を与えられた機体は、確かにジオン軍の資料に残されています。それを製造するための予算も執行されており、納品の書類も残っているため、実在したことは間違いありません。エルメスは計3機の予算が付いており、1号機はサイコミュ非搭載の基本性能検証用のテスト機体、2号機はサイコミュ搭載のニュータイプパイロットによる実用試験機。3号機は2号機と同等の仕様の予備機となっていました。

 このうち、1号機は正規に軍に納入され、他の機種と同様の軍のテストパイロットによるテストが行われました。ジオン軍が要求する最低基準をクリアしていることが確認された後、パイロットの訓練用にフラナガン機関に貸し出されています。貸し出されたまま終戦となり、その後の行方は不明です。

 2号機は、実際にザンジバルに搭載され、実戦に出てRX-78に撃墜された記録が残されています。しかしながら、納入時点ではサイコミュは搭載されておらず、この点に関してのみ正規の記録がありません。サイコミュはフラナガン機関の手により、出撃時に取り付けられ、それ以外の時は大切に金庫に補完されていたという証言が残っています。

 3号機は、製造途中で終戦となり、そのまま解体され、スクラップとして処分されたとされています。

 これらの記録からすれば、エルメスが実際に存在し、それがジオン軍の規定を最低限クリアする機体であったことは間違いありません。

 さて、次はビットの実在性ですが、これも36機のビットが製造され、軍に納入されている記録があります。しかし、これも同様にサイコミュのみはフラナガン機関が出撃時に取り付けており、軍には正規の記録がありません。エルメスとビットには、無線電波を使用した遠隔操作装置が取り付けられており、試験時はこれを用いてビットを操作しています。もちろん、ミノフスキー粒子濃度が低い場所でのみ可能な方法です。

 では肝心のサイコミュの実在性はどうかというと、サイコミュと呼ばれる黒い箱が存在し、それがエルメスやビットに取り付けられるところを目撃した証言はいくつも存在します。しかし、その中を見たという証言はありません。それが正常に動作する装置であったかどうか、フラナガン機関以外の第3者が確認した記録はありません。

 エルメスを操縦したララア・スンなる人物も、実在の人物であることが確認されています。ジオン軍の短期速成パイロット養成コースを受講した記録が残されています。しかし、ララア・スンなる人物が、どこで生まれた何者であるかは、はっきりしません。軍で仕事をする場合は、通常、詳細な経歴の資料が作成されることがジオン軍の規定で決められていますが、ララア・スンに関してはありません。フラナガン機関が育成したスペースノイドの戦災孤児と言われていますが、生まれも育ちも地球上であったという異説もあります。実際に、ララア・スンがニュータイプ能力を持っていたかどうかは、ジオン軍高官の前で様々なデモンストレーションを行ったという記録と、やはり高官の前でエルメスに搭乗してビットを操って見せたという記録が残されています。しかし、前者は手品として解釈すればニュータイプ能力抜きに説明可能であり、後者はミノフスキー粒子濃度の低い戦場のはるか後方で行われたものであり、無線操縦でビットを操ったと解釈すれば、ニュータイプ能力の存在を証明したとは言えません。

 これを踏まえて、次の問題に進みましょう。

 エルメスが撃墜された戦闘において、何が起きたのか検証してみましょう。様々な記録や資料から確実と考えられるのは、ザンジバルより発艦したエルメス(操縦者ララア・スン)およびゲルググ(操縦者シャア・アズナブル)と、ホワイトベースを発艦したRX-78(操縦者アムロ・レイ)およびGファイター(操縦者セイラ・マス)が交戦し、エルメスは未帰還、ゲルググは中破し帰還。RX-78とGファイターは小破し帰還したことです。

 これらの機体が発艦してから着艦するまでの間、何が起きていたかは諸説あり、はっきりしません。

 では、この戦闘の後、何が起きたのでしょうか。

 連邦軍側では大きな動きは起きていません。既にア・バオア・クー攻略のための作戦準備はスタートしており、今更、それを変更するような大きな動きは実行不可能であったと言えます。

 これに対してジオン側では、キシリア・ザビとその関係者が、RX-78とそのパイロットを重大な脅威を見なし、フラナガン機関への多額の出資を決定しました。キシリア・ザビに残された最後のまとまった資金が、フラナガン機関に渡ったとされています。

 またまた続きます。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

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