2002年04月11日
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宇宙世紀の駄ッ作機 MSM-03 ゴッグ

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 ジオン軍が地球に降下する際、降下地域の1つに北米を選んだ理由としては、もちろん、経済力が大きく、資源も豊かであるということはあります。しかし、それ以上に大きな理由になったのが、北米が南米ジャブローが必要とする兵器や装備を供給していたという事実です。ジャブローが必要とする各種物資は膨大であり、その供給を絶てば、ジャブローは相当苦しい立場に追い込まれるはずだ、と考えられていました。

 さて、首尾良く北米を制圧したジオン軍は、これでジャブローは苦しくなったはずだと考えました。ところが、ジャブローは活発に活動を続けていました。資源や部品の供給が絶たれたはずなのに、ジャブロー内の兵器工場もフル稼働していました。

 これはおかしい。何か理由があるはずだと本格的な調査に乗り出したジオン軍は、ことの真相に気付いて驚きました。ジャブローは、失われた北米の代わりに、西欧を供給地としてフル稼働させていたのです。そして、一部は空路で、大半は海路で大西洋を渡りジャブローに届けられていたのです。

 さっそく、海路物資を運ぶ輸送船への攻撃が計画されましたが、これは思うように行きませんでした。海はあまりに広大であり、ミノフスキー粒子を十分な濃度で散布することは困難だったのです。少しでもミノフスキー粒子の濃度が薄ければ、連邦軍の電子装備が猛威を奮い、輸送船の姿を見ることなく撃墜されるドップも珍しくありませんでした。そして、当然のことながら、ジオンの主力兵器ザクは海の上を歩くことができませんでした。

 このままでは、ジャブローを弱体化させることはできない、という危惧がジオン軍内に広がりました。

 もっとも王道といえる対策は本格的な海軍の創設と運用ですが、大型艦ともなれば建造に何年も要するもので、そう簡単に実現できるものではありません。

 短期間で準備でき、海上の敵を叩ける兵器とは何か。

 その結果、考え出されたものが、モビルスーツの技術を転用した小型潜水艦でした。モビルスーツの基本フレームに、水圧に耐えられる外殻と、水中から輸送船を攻撃する武装を取り付ければ、とりあえず要求は満たせます。水中は、どことなく宇宙と似た要素があり、技術的にも親和性が高かったと言えます。

 最初に検討されたのは、ザクの基本フレームをベースにし、推進装置や、浮沈装置などを取り付けたものでした。武装には魚雷と、直接攻撃用の大型の銛が検討されていました。そして、この案では、手と足がありませんでした。水中では水の抵抗を利用して容易に方向転換ができるし、機体を支える足も必要ありません。武装も輸送船攻撃だけが目的なので、手持ち式にして武装交換を可能にする意味などありません。むしろ、水中を迅速に進み、敵の護衛艦の隙をついて輸送船を沈めるには、余計なものを付ける余裕など無いとも言えます。

 これを、連邦軍より手に入れた少数の潜水艦を母艦として運用すれば、ジャブローに向かう物資のかなりのものを海の藻屑に出来るはずだ、と技術者達は考えていました。

 しかし、この構想はすぐに暗礁に乗り上げました。ザビ家関係者の評判が非常に悪かったのです。特にドズル・ザビは「軍艦でもない輸送船を沈めるなど武人のすることではない」と一喝して、あらゆる説明をさせなかったと言われるほどです。

 とはいえ、北米で真剣にジャブロー対策を考えていた軍人達は、この小型潜水艦の必要性を誰もが認めていました。いったい、どうやって状況を打開すべきか、彼らは知恵を絞りました。

 そこで出てきたのが、水陸両用モビルスーツというアイデアでした。手薄な海から敵の重要拠点に接近し、防衛網を突破したらそのまま上陸して占領してしまうという構想です。

 もちろん、彼らが期待していたのは、小規模な海からの上陸作戦などではありません。それよりも、ジャブローに向かう輸送船を沈める手段が重要だったのです。

 水陸両用モビルスーツという構想は、ザビ家関係者からの受けも良く、開発のゴーサインが出ました。しかし、余計なものも付いてきました。潜水艦隊を自分の配下にしていたキシリア・ザビが、水陸両用モビルスーツをまるで自分のものであるかのように考え始めたのです。キシリア・ザビは、輸送船攻撃には興味はなく、それよりも海から諜報活動や、後方攪乱を狙った海からの奇襲攻撃などを考えていました。

 続きます。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

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