2002年05月06日
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宇宙世紀の駄ッ作機 チベ級長距離巡航宇宙艦

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 宇宙世紀0050頃、地球連邦に反対する勢力は、連邦軍の活躍により、弱体化しつつありました。しかし、その状況は、逆に連邦軍上層部にある種の焦りを感じさせました。

 そもそも、軍隊などというものは、敵が存在しなければ存在意義が無いのです。強力な軍事力を持った敵対勢力が無ければ、軍事予算を削減せよという声が高まるのは必然です。

 そこで、それを未然に防ぎ、連邦軍の存在意義を作り出す秘密計画がスタートしました。もはや地球上の勢力に、その役割を期待することはできませんでした。現在の敵を屈服させられないとすれば、逆に連邦軍の能力に疑問符が付きかねない危険があるからです。ですから、新たな敵は宇宙に求められねばなりませんでした。

 とはいえ、宇宙は連邦主導で開発している領域であり、勝手に敵が生まれてくれるわけがありません。

 そこで、連邦軍が黒幕となって、敵対軍事勢力の育成が開始されました。

 第1の敵は、木星からのヘリウム輸送を妨害する小惑星帯の宇宙海賊です。しかし、これはより大きな第2の敵を生み出すための手段に過ぎませんでした。第2の敵とは、すなわち、地球から最も遠いサイドのことでした。サイド3には、反地球連邦的な人間を集め、そして煽動者として、政治家のジオン・ダイクンを送り込みました。ジオン・ダイクンは、地球連邦からの独立自治を訴え、小惑星帯の海賊退治を肩代わりする代わりに、納税を免除し、自治を行う権利を地球連邦から獲得しました。そして、連邦軍は、型遅れの兵器を大量にサイド3に供与したり、兵器のライセンス生産の契約を結んだり、サイド3の軍事力強化に協力しました。

 こうして、サイド3は、無視できない軍事力を持ちながら、その気になれば連邦軍で確実に勝てる軍事勢力として成長を続けました。

 さて、一方のサイド3の立場で見れば、型遅れの兵器しか寄越さないくせに、小惑星帯の海賊どもを全て退治せよ、という地球連邦の態度は面白いものではありませんでした。何しろ、海賊とは言え、陰ながら地球連邦の支援を受けていますので、下手をすればサイド3より新しい兵器を持っていたりします。

 それじゃあ、ということで、新型兵器を寄越せと連邦軍に掛け合っても相手にされません。

 くれないなら、自分たちで何とかしよう。

 そのような考えが出てくるのは当然の成り行きと言えるでしょう。

 まだジオン軍と呼ばれていなかったサイド3独立警備隊は、慎重に検討した上で、最も重要度が高いのは、宇宙艦であるという結論に達しました。はるか遠くの小惑星帯まで行って、そこで交戦し、戻ってくるというのは非常に大変なことです。特に、小惑星帯付近では孤立無援で戦うことになるので、宇宙艦が失われれば帰ることも不可能になります。投降できれば運が良い方で、拾って貰えなければ死あるのみでした。

 しかし、サイド3が運用していた宇宙艦の実態はといえば、コロニー建設用の輸送船のフレームに、各種装備や物資をくくりつけ、加速ブースターを増設しただけの代物で、装甲はエンジン周辺にわずかに付いているだけでした。これでは、敵に至近距離まで接近されたら、生き延びる方が難しいと言わざるを得ません。

 そのような艦とすら言い難い宇宙艦を2隻失った時点で、これでは駄目だということがはっきりとサイド3内では認識されました。

 本格的な宇宙艦が要るのだ!

 必要とされる宇宙艦は、ちょっとした攻撃なら完全に弾き返す装甲、攻撃を回避するための瞬間的な大加速と、それに耐える強度、敵を容易に近づけさせない大火力、戦場に迅速に進出するための高い巡航速度、そして長期間の航行と作戦に耐えられる居住性を併せ持たねばなりませんでした。

 この条件を満たす艦は連邦軍にも無く、サイド3は、自主開発する以外に選択の余地はありませんでした。

 そして、そのチャレンジは実を結んだのです。初の国産本格兵器、長距離巡航宇宙艦チベが完成したのです。

 続きます。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

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