2002年05月12日
トーノZEROアニメ感想機動戦士ガンダムtotal 4324 count

宇宙世紀の駄ッ作機 チベ級長距離巡航宇宙艦(続きの続きの続きの続きの続き)

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 地球連邦政府が、マゼラン級の建造予算を決議したことは、サイド3に大きなショックを与えました。

 チベ級とマゼラン級が1対1で戦った場合、マゼラン級の優位は目に見えています。それだけでも脅威であるのに、連邦政府は、いきなり12隻分の予算を付け、最終的に48隻のマゼラン級を建造する計画を立てていました。清水の舞台から飛び降りる気分で、チベ級の建造計画を4隻から6隻を経て8隻に増やしたサイド3とは、桁が違っていました。

 それは、ただ単に宇宙艦を何隻持つかの問題では終わりませんでした。もし、本当に地球連邦軍が48隻のマゼランを所有したら、その一部を派遣するだけで小惑星帯の海賊達を軽く蹴散らせることになります。そんな事態になれば、サイド3の仕事は無くなり、必然的に海賊退治の代償として得ていた納税免除と自治の特権も失われます。

 この問題に対して、サイド3の世論は二つに割れました。穏健派は、チベ級の建造計画を縮小し、最低限の戦力で海賊退治を行った後、軍事力と特権を放棄して連邦制に帰順すべきと主張しました。その意見の背景には、本気で軍事力で連邦と事を構えれば、サイド3が負けることが確実であるという認識がありました。負けるの確実なら、今の状況から最大の利益を得ておき、それが得られなくなったら抵抗せず、素直に権益を放棄するのが、利益の最大化になるという考え方です。

 一方の過激派は、マゼランに勝てる大型艦を建造し、あくまで連邦軍に対抗できるだけの軍事力を維持すべきと主張しました。確かにリスクの大きい選択ですが、成功すれば特権や利権を将来に渡って永続させることができます。つまり、ハイリスクハイリターンというわけです。

 穏健派はジオン・ダイクンがリーダー格となり、過激派は元ジオン・ダイクンの懐刀であった、デギン・ザビがリーダー格となり、激しい政治闘争が繰り広げられました。

 しかし、ジオン・ダイクンが暗殺者の凶弾を受けたことで、デギン・ザビは全面和解を提示し、穏健派と過激派は和解する方向に進みました。ジオン・ダイクンは、しばらくの間命を保ち、その間、デギン・ザビはジオン・ダイクンの秘書のように走り回り、争乱の事態を収拾しました。そして、死に際にジオン・ダイクンは自らの後継者としてデギン・ザビを指名しました。

 デギン・ザビは、穏健派寄りの政策を掲げ、サイド3自治政府の首班となりました。このまま、事態は穏健派寄りの決着を見せるかと思いきや。

 ジオン・ダイクンを撃った凶弾が、地球連邦のスパイの仕業であることが、サイド3自治警察から発表されました。地球連邦政府は全面否定しましたが、連邦軍筋はそれが事実であるという情報をマスコミにリークしました。スペースノイドの精神的支柱、ジオン・ダイクンを暗殺し、その後継者として地球連邦の傀儡を送り込むという計画が、明るみに出ました。

 これにより、サイド3内の世論は沸騰し、地球連邦政府への不信が高まりました。

 もはや地球連邦政府寄りの穏健派の政策は世論の反対で実行不可能になりました。

 デギン・ザビは、ジオン・ダイクンに約束した穏健派寄りの政策を放棄し、軍事力で連邦政府に対抗する政策に方向転換をせざるを得なくなりました。そして、デギン・ザビは、チベよりも大きく強力で、マゼランに対抗できる大型宇宙艦(後のグワジン級)の建造を自らの民衆に約束させられました。

 それを実現するものとして、チベ級8隻と大型宇宙艦4隻からなる84艦隊を整備する予算が議会に提出されました。84艦隊は、サイド3の経済力が実現できる限界ぎりぎりの戦力でした。しかし、84艦隊を持ってしても、連邦軍に対抗することは困難でした。連邦軍は1方面に10隻程度のマゼラン級を投入するものと予測されたため、大型宇宙艦はせめて8隻が必要になると考えられたのです。そこで、チベ級8隻と大型宇宙艦8隻からなる88艦隊がサイド3防衛の最低ラインであるという主張が各方面から出されました。

 デギン・ザビは、この矛盾を解決するには、サイド3のすべての資源を、国家が強権を持って適切に配分する方法しかないと演説しました。つまり、民主主義と、自由経済の停止です。デギン・ザビは、繰り返し、「これは、地球連邦から恒久的な自治を獲得するまでの一時的なものである」と演説しました。苦しい今を乗り切れば、バラ色の未来が待っているというデギン・ザビの訴えは、人々の心を掴み、政策は圧倒的大多数のサイド3住民に支持されました。

 そして、デギン・ザビは、新体制の国家を、殉職者の名にちなみ、ジオン公国と名付けました。

 続きます。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

Facebook

このコンテンツを書いたトーノZEROへメッセージを送る

[メッセージ送信フォームを利用する]

メッセージ送信フォームを利用することで、トーノZEROに対してメッセージを送ることができます。

この機能は、100%確実にトーノZEROへメッセージを伝達するものではなく、また、確実にトーノZEROよりの返事を得られるものではないことにご注意ください。

このコンテンツへトラックバックするためのURL

http://mag.autumn.org/tb.aspx/20020512015614
サイトの表紙【機動戦士ガンダム】の表紙【機動戦士ガンダム】のコンテンツ全リスト 【機動戦士ガンダム】の入手全リスト 【機動戦士ガンダム】のRSS1.0形式の情報このサイトの全キーワードリスト 印刷用ページ

管理者: トーノZERO連絡先

Powered by MagSite2 Version 0.36 (Alpha-Test) Copyright (c) 2004-2021 Pie Dey.Co.,Ltd.