正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。
ソーラレイの一撃により、テアンム艦隊主力は大損害を被りました。
この一撃で5隻のマゼランが跡形もなく蒸発し、12隻が修理不能の大ダメージを被りその場で爆破放棄せざるを得なくなりました。更に残ったマゼランの中でも、即座に実戦に耐えられるものは少なく、過半数はそのままコンペイトウに返すしかありませんでしたこれは、ア・バオア・クーを攻略するには、あまりに戦力不足という状況でした。唯一の救いは、様々な任務により散開していたサラミスの損害が少なかったことです。
テアンム艦隊は、マゼランの不足を、サラミスで補うしかありませんでした。サラミスは2隻を単位に、マゼランが配置されるべき位置に配置されました。
しかし、この艦隊構成は思わぬところで、連邦軍に有利に働きました。
敵はマゼラン、サラミスは無視せよ、と叩き込まれたジオン軍のパイロット達は、サラミスを発見しても攻撃せず、マゼランを捜し求めて攻撃を仕掛けました。
その結果、多数のサラミスがジオンのモビルスーツの攻撃を受けることなく、ア・バオア・クーの至近距離まで進出することができました。これらのサラミスは、搭載したモビルスーツ隊を発進させ、ア・バオア・クーへの最初の橋頭堡を確保することに成功しました。ア・バオア・クーの砲台からの反撃も厳しく、サラミスが数隻立て続けに撃沈されましたが、モビルスーツ隊を発進させたあとのサラミスを沈めても、もはや手遅れでした。サラミスの火力支援を受けたGM隊が次々と砲台を制圧すると、サラミスへの攻撃手段は無くなりました。残ったサラミスは、GM隊への補給プラットホームとなり、更にア・バオア・クーの広範囲を制圧すべく活動を続けました。
また、空母ドロス周辺でも、サラミスの活躍が見られました。圧倒的に巨大な空母ドロスと、小さなサラミスを比べれば、サラミスに勝ち目があるようには見えません。しかし、広範囲に広がる戦場に搭載モビルスーツが拡散し、しかもサラミスはいつでも沈められるからマゼランを狙えという指導が徹底したジオンのモビルスーツ隊は、結果的に母艦ドロスへのサラミスの接近を許すという事態を招きました。
7隻のサラミスと、主にサラミス搭載のボール隊が、ドロスへの攻撃を行いました。ドロスは、強引に建造期間を短縮して最前線に送られたため、防御火砲の一部が搭載されていませんでした。また装甲板も、予定のうち極一部しか装着されていませんでした。
そこに、サラミスの小口径の速射砲が次々に命中し、更に一部は艦体を貫通して、内部にまで被害を与えました。そして、それらの一部は、モビルスーツに迅速に補給するために用意されていた燃料や武器弾薬に命中しました。これは、次々と誘爆を起こし、空母ドロスの致命傷となりました。ドロスは内部より爆発し、完全に機能を停止しました。
これにより、連邦艦隊を阻止しようとするジオンのモビルスーツ、モビルアーマーの活動は極めて低調なものになり、ア・バオア・クーの戦闘は要塞内部の攻略戦に移行しました。これは、さほど長い時間を必要とせず、ジオン軍は降伏しました。
ジオン軍の降伏後も、サラミスは忙しく働きました。降伏したジオン軍高官を地球に運んだり、両軍の重傷者を運んだり、不足する物資を運んだり、危険な場所から避難するために駆り出されたり。
終戦時、地球連邦軍におけるサラミスの生産ペースは、月産27隻となっており、更にこれを33隻に拡大する準備が完了したところでした。しかし、戦争が終了したことで、この多数のサラミスの生産はキャンセルされ、完成度50%以上の艦のみが建造継続されることになりました。
また、宇宙には総計100隻を上回るサラミスが残されており、これが戦後の地球連邦艦隊の中核となりました。
サラミスは、まだ揺れ動く地球圏を飛び回り、地球連邦を中心とした新しい秩序の建設に貢献しました。
戦争終結により、サラミスのかわる新しい巡洋艦を建造すべしという意見もありましたが、軍事予算削減ムードのなか、それだけの予算は付かず、とりあえずサラミスを月産2隻のペースで生産継続ということになりました。これは、暫定的な措置でしたが、結果的に、その後十年以上に渡って、サラミスとその改良型の生産は続き、連邦宇宙軍の足として酷使されたのです。
ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と～のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と～のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。
