2002年05月24日
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宇宙世紀の駄ッ作機 グワジン級超々弩級戦列艦(続きの続きの続きの続き)

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 グワジン級の成功を鍵を握るエンジン。そのエンジンは、さるエンジンメーカーの社長が、専門家として絶対に作れると太鼓判を押したものでした。その太鼓判があればこそ、グワジン級の建造は開始されたのです。

 ですから、そのメーカーの技術者が、こんな大きなエンジンは無理だと発言することなど、誰も予想していなかったことでした。

 さっそく、それはどういうことだと技術者は問いつめられました。

 そして、途方もない事実が明らかになりました。その社長は、社外では「できます」と言い、社内では「無理だと言ったんだが、軍がどうしてもと言うから」と二枚舌を使っていたことが分かったのです。そして、社長自身は、軍からお金が振り込まれるとそのまま莫大な退職金を手にして、会社の株も後継者に譲り、あっさり引退してしまったのです。そして、今は、サイド3からはるか遠く、地球の高級住宅街に住む身分だということでした。

 政府も軍もグワジンを売り込んだ企業連合も、まとめて、そいつにしてやられたことは明らかでした。

 しかし、それが分かったところで、もはや打てる手はほとんどありませんでした。

 ともかく、莫大な予算を注ぎ込んだグワジン級は完成してしまったのです。今更エンジンが作れないから、もっと小さい艦にしようとは言えません。

 何とかしてグワジン級を動くようにするしかない。関係者はその方針で一致しました。そして、エンジンは工場でのテストでは動いたのだから、動かす方法があるはずだと徹底的な調査が行われました。

 その結果、エンジンの細かいセッティングが、コロニーの回転重力下で動作するように調整されていることが分かりました。期日が迫ったために、十分に確認せず、ともかく動く状態で納品したのが原因でした。回転重力下で動くように仕上げるのが精一杯。無重力状態での稼働を確認する余裕がなかったのです。

 そこで、エンジンメーカーの技術者がグワジン級に常駐し、あらためてエンジンの再調整を行いました。

 最初は10秒程度の稼働しかできなかったものが、調整が進むにつれて、徐々に運転時間を延ばしていきました。最終的に三日間休み無しの連続運転が可能な段階に達したところで、ついにグワジン級は完成したと判断されました。

 宇宙空間を移動しながら、各種設備の試験も行われ、ジオン宇宙軍に引き渡されました。

 しかし、エンジントラブルが完全に無くなったわけではなく、週に1回ぐらいはトラブルを起こしました。またエンジンの機嫌が良いときですら、計画出力の半分程度しか出せず、機動力が高いとは言い難いものでした。そのため、グワジン級を艦隊旗艦として利用することは行われず、グワジン級はいつも機密演習エリアの中で、耐久試験代わりの基礎訓練に明け暮れていました。

 政府は、グワジン級の不鮮明な写真を公開して、強力な戦艦をアピールして宣伝しましたが、軍関係者は「まだ怖くて実戦に投入できない」というのが本音でした。

 そして、政府と軍の関係者はすぐに次の問題に直面しました。

 グワジン級の2番艦を建造すべきかどうかです。

 グワジン級は8隻建造するものとジオン国民に公約済みでしたし、2番艦の予算も確保済みでした。1番艦であらゆるトラブルを経験したので、2番艦はもっと短い時間で、安上がりに作れるはずでした。しかし、これほどトラブル頻度の高い艦を、もう1隻作る価値が本当にあるのかという疑問を、誰しも拭えなかったのです。

 そんなときに、エンジントラブルの最終報告書が政府と軍に提出されました。

 報告書は、技術的な冒険が多すぎて、完全稼働は難しいものの、多くのノウハウが蓄積された、と述べていました。つまり、以前より大型のエンジンを作るノウハウは得られたと述べていたのです。

 では、どの程度のエンジンなら作れるのかというと、グワジン級のエンジンの80%の出力までなら確実だという話でした。

 関係者は額を集めて相談しました。出力80%なら、マゼランを上回る加速力は無理でしたが、戦闘艦として使えないレベルではありません。

 ともかく、マゼランを続々建造中の連邦に対抗するにはグワジンが必要なのは間違いない、ということで、80%出力のエンジン装備で、2番艦の建造が決定されました。

 続きます。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

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