2002年06月03日
トーノZERO小説感想森博嗣 total 3968 count

ピンクハウス系の似合う女装少年にD51のナメクジを持たせて限界領域外に行っちゃってる推理小説『朽ちる散る落ちる』感想

Written By: トーノZERO連絡先

 推理小説なので、真相に絡む感想は書きません。

 本筋と関係ないところですが、この作品が属するVシリーズそのものが、最も探偵らしい男が泥棒で、ヒロインらしいルックスの人物が男の子で、浮世離れしたバツイチの女性が実は事件の真相を推理する探偵役であるという、実に妙な構成になっていたりしますが。

 とりあず、ピンクハウス系の服という話になった段階で、ある種のマニアックな領域に入っていますが、それを美少年のはまる女装のアイテムとした時点で、マニアック度パワーアップです。しかし、それだけなら、まだよくある話です。ここで、この少年を、女性になりたい願望の持ち主とせず、あくまで女性の服を着ることを好んでいるだけ、という設定にすることにより、マニアック領域の中でも究極に近い場所に行っています。それでも、まだ、そこまでならマニアック領域の中に位置づけることは可能といえます。しかし、彼にHOゲージ(鉄道模型)のD51のナメクジを持たせた時点で、限界領域の外に行ってしまったかも知れません。本当に、ナメクジという単語が出てきたときは、のけぞりました。

 これだけ無茶をやっても、けなげについていく読者様の存在も凄いことだと思います。

 と~のは、主要登場人物の中で唯一普通人の香具山紫子を応援しています。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。