2002年06月07日
トーノZEROアニメ感想機動戦士ガンダムtotal 4359 count

宇宙世紀の駄ッ作機 AV-04S1 地上戦闘支援車ギャロップ(続きの続きの続きの続きの続き)

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 ガルマ・ザビ仇討ち部隊はザンジバルで地球に降りると、さっそく装備をギャロップに積み込みました。

 モビルスーツと整備員一同、それからモビルスーツと直接協力する歩兵部隊とその装備、弾薬、食料など、ビル並みの大きさのギャロップがぎちぎちに詰まるほど大量の物資が詰め込まれました。

 出迎えた地上のジオン兵士は、その様子をあっけに取られながら見ていました。何しろ、ギャロップといえば、モビルスーツの整備に使うか、部隊の指揮所として使うことが多く、何もかも詰め込んで出撃という光景を見たことが無かったのです。

 本当に、ギャロップでこういう使い方をしても大丈夫なのだろうか。彼らは皆、そう心配しました。

 しかし、ランバ・ラルには勝算がありました。野武士的な印象もあるランバ・ラルですが、戦場では剛胆、しかし、準備段階では繊細にして緻密でした。彼は、準備こそが勝敗を決する最重要のポイントだと正しく理解していました。

 特にランバ・ラルが気を使ったのは、ギャロップが移動可能な地域を把握し、ホワイトベース攻撃が実行可能なポイントを絞り込むことでした。そこから逆算して、全ての準備が行われました。

 ジオン本国で集められる限り集めたホワイトベースの資料を元に3回は確実にホワイトベースとガンダムを破壊できるだけの作戦計画が周到に立案されました。

 そこまでやってすら、ランバ・ラルは満足しませんでした。その3回で仕留められなかった場合を想定して、更に強力なモビルスーツを送らせるように手配しました。ランバ・ラルは何事にも確実はないことをよく知っていました。

 ハモン・ラルが徹夜で地図を詳細にチェックし、ギャロップの移動可能路を全てリストアップすると、ランバ・ラルは出撃を命じました。

 ギャロップは最初の20キロメートルを、交通規制された6車線幹線道路を移動し、そこから、平坦な荒野に乗り出しました。

 ギャロップは、あえて回り道に見えるねじ曲がった針路を取って移動しました。しかし、それは周到に調査されたギャロップが安全に移動可能な地域を辿った結果でした。その周到さのおかげで、特に問題が発生することなく、ギャロップはホワイトべースの最初の襲撃ポイントに向かって移動しました。

 ランバ・ラルは、多少予定と違った位置ではありましたが、ホワイトベース隊に攻撃を仕掛けることに成功しました。

 しかし、不幸なことに、ランバ・ラルが予測もしなかった出来事がいくつも発生し、作戦そのものは失敗しました。

 そして、何かの歯車が狂ったまま、ガルマ・ザビ仇討ち部隊は、何度かの交戦の後、壊滅してしまいました。

 ですが、そのことでランバ・ラルを無能と呼ぶ者は誰もいませんでした。誰もが裏では、黒幕が糸を引いていることを噂していたからです。

 それよりも、ランバ・ラルが見せた見事なギャロップによる襲撃行動が話題を呼びました。ギャロップに何もかも一切合切詰め込んで、機動力で、遊撃戦を仕掛けるというのは、積極的で勇猛でいかにもジオン人好みの作戦でした。

 さっそく、他の部隊でもランバ・ラルをお手本にして、同様の作戦を実施しようということになりました。

 ジオン地上軍のあちこちの部隊でギャロップが引き出され、厳選された小部隊が編成されて、巨大なギャロップの内部が埋まるほど押し込まれました。

 そして、ギャロップは次々と出撃していきました。誰もが、ギャロップで行われるであろう遊撃戦のことを考えていました。

 しかし、それらのギャロップは数時間も経たない内に、次々と障害物にスカートを引っかけてその場で修理を余儀なくされました。

 ランバ・ラルの格好良いところばかり真似をして、彼の周到さを学ばなかったことが原因でした。

 結局、緻密な事前調査無しでは、遊撃戦は無理だと言うことが分かり、ギャロップによる遊撃戦というアイデアは急速にしぼんで行きました。

 しかし、それは結果的にジオン軍にとって良いことでした。遊撃戦で少数の貴重なギャロップを使い尽くさず、終戦時まで温存できたことにより、ジオン軍は終戦のその日まで、連邦軍と戦うモビルスーツを整備し続けることができたのです。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

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