2002年06月08日
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宇宙世紀の駄ッ作機 PSA-01 ミノフスキー粒子散布機(兼長距離偵察機)ルッグン

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 ミノフスキー粒子の散布により、ジオン軍は連邦軍の目と耳を奪い、数々の戦いで勝利を収めました。

 当然のことながら、地球上に侵攻するにあたり、ミノフスキー粒子を地上の戦場にどう散布するかは重大な問題と言えました。宇宙空間では大型艦艇で散布を行いましたが、それは地上には持っていけないものだったのです。

 そこでジオン軍は、最優先で地球上においてミノフスキー粒子散布を行う航空機の開発を進めました。といっても、まだ地球侵攻部隊が出撃する前の状況であり、占領地の航空機メーカーが持っている図面をあさって、というようなことはできませんでした。公開された技術資料をかき集め、大胆な冒険を避けながら、確実に飛べそうな機体を開発するという方針で作業は進みました。

 しかし、いざ完成した試作機は、どこをどう間違ったのか、平凡な航空機とはかけ離れた形状を持っていました。ブーメラン型に近い形状で、20世紀の電子偵察機のレドームのような円盤形の物体が突き出していました。このドームは、レーダーではなく、ミノフスキー粒子のタンクでした。本当に、こんな形状で飛ぶのだろうかと関係者は心配しましたが、コンピュータシミュレーションや風洞実験では問題なく、おそるおそる、試作機は地球上に送られました。

 実際に地球の空を飛んだ試作機は、こんな状況で開発されたにしては、驚くほどまともに空を飛びました。極端な機動を行うと、失速できりもみ状態に陥る癖はありましたが、戦闘機じゃあるまいし、激しい機動は必要ないと考えられたので、さっそく実戦に投入されることになりました。

 ところが、いざミノフスキー粒子を満載して戦場の空を飛んだ試作機は、あっという間に連邦の戦闘機に追い回される状況になりました。とても戦場にまんべんなく、ミノフスキー粒子を蒔くどころではありません。

 このような状況は、ジオン軍内でのミノフスキー粒子への過信が招いたと言えます。宇宙空間では、ミノフスキー粒子を蒔いて電子装備を無効にすれば、そう簡単に攻撃は受けませんでした。しかし、地上の戦場の空を飛ぶということは、眼下にいる地上部隊から試作機がしっかりと視認されるということであり、同時に、正確な位置を有線電話で容易に航空基地に伝えられてしまうということを意味していました。そんな状況で、のんびりと戦場の空を周回しながらミノフスキー粒子を蒔けると思う方が甘かったのです。

 この出来事は、戦闘機の重要性をジオン軍に認識させると同時に、ミノフスキー粒子の散布機であっても、戦闘機に狙われたときにそれを回避するための機動性が必要だと言うことを認識させました。撃ち落とされては話になりません。

 地上での実地試験を通じて失速癖は取り除かれ、スピードだけは速い連邦の戦闘機の攻撃をかわすため、旋回性能も磨かれました。

 しかし、最前線からはミノフスキー粒子を散布する装備を早く寄越せとうるさく言ってきました。

 そのため、万全な状態ではないものの、この機体はPSA-01 ルッグンとして制式採用されました。PSAのPSはParticle Spreaderの略であり、ルッグンという名称は、Ruin Gun(破局の引き金)を縮めたものでした。

 ルッグンのパイロット達は、自分たちが単に経験も乏しい大気圏内航空機を飛ばすだけではないことを、よく承知していました。凶悪な連邦の戦闘機の攻撃をかいくぐり、ミノフスキー粒子を戦場に蒔かねばなりませんでした。それは生還を期しがたい困難な任務でしたが、ジオンの勝利のために、非常に重要な役割を持っていることを、よく理解していました。彼らは使命感を持ってルッグンに乗り込みました。

 地球に降下したジオン軍が、占領地域を確実に掌握するための激しい戦闘のピークに、ルッグンはかろうじて間に合いました。そして、ルッグンが散布したミノフスキー粒子のおかげで、五分五分だった戦況を最後の最後でジオン優位に転換させることができました。

 しかし、山場を超えたジオン軍は、新たなる問題に直面したのです。

 作戦に成功したジオン軍は、虎視眈々と占領地奪回を狙う連邦軍からの攻撃に備える立場になったのです。しかし、そうなると、敵の行動を素早く察知するのに、盛大に散布したミノフスキー粒子は邪魔でしかありませんでした。

 勝利したばかりのジオン軍では、あちこちで悩む指揮官の姿が見られました。

 続きます。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

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