2002年06月09日
トーノZEROアニメ感想機動戦士ガンダムtotal 4153 count

宇宙世紀の駄ッ作機 PSA-01 ミノフスキー粒子散布機(兼長距離偵察機)ルッグン(続き)

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 ジオン軍には自信も自負もありました。ミノフスキー粒子さえ蒔いて、通信と探知を妨害してしまえば、連邦軍に負けるなどと誰も思っていませんでした。通信が途絶して慌てた61式戦車やフライマンタなど、ザクのカモでしかありません。

 しかし、それは、そこにザクがいればの話でした。広範囲の土地を占領したジオン軍が直面したのは、全ての場所に配置できるほど多数のザクを持っていないという状況でした。連邦軍が攻めてきたときに、丁度そこにザクがいなかったらどうなるのか。その点に関して、ジオン軍は自信を持ってはいませんでした。ザクの力で運命を切り開いてきたジオン軍は、歩兵だけで61式戦車に勝てる自信を持ってはいなかったのです。

 せめてミノフスキー粒子さえ蒔いていなければ、レーダーで事前に敵の接近を探知してザクを送り込むことができました。しかし、ジオン軍自身が盛大にミノフスキー粒子を蒔いただけでなく、連邦軍もすぐに自らの行動を秘匿するためにミノフスキー粒子を使うことを学習していました。しかも、欺瞞のために、部隊がいない場所で盛大にミノフスキー粒子を蒔くということも行われ、濃度の高い場所に敵がいるとは限りませんでした。

 これはもう目で見て確かめるしかない、ということで、占領地のあちこちに、偵察ポイントが設置されました。塔や煙突など、できるだけ遠くまで見通せる場所が選ばれ、そこに交代で双眼鏡を持った兵士が上ったのです。そして、何かがあれば、原始的な有線電話を使って、報告が行われることになりました。しかし、それだけでは十分ではありませんでした。有効な策敵距離はほんの数キロ。超音速で飛来するフライマンタを発見して連絡しても間に合うわけがありません。それどころか、全力疾走する61式戦車を発見しても、ザクの応援は間に合いませんでした。ザクが到着するのは、61式戦車によりその土地のジオン軍蹴散らされたあとでした。

 根本的に対策を打たないと駄目だ、ということをジオン軍の関係者は強く感じました。ともかく、肉眼で見つけるしかないというのが、大前提でした。そして肉眼で見つけるには、はるか遠くまで、その肉眼を持って行かねばなりません。素早くそれを実現するには、偵察員を飛行機に乗せて飛ばすのが現実解でした。

 そこで、ジオン軍は、軽飛行機とパイロットをかき集めて、偵察員を乗せて、各方面に飛ばしました。これは大成功でした。連邦軍も、まさか民間の軽飛行機がジオン軍の偵察に使われているとは思わず、攻撃を受けることはありませんでした。

 しめしめとジオン軍は思いました。この方法を使えば、安全確実に敵の状況を知ることができます。

 ところが、ふと気付くと、利用できる軽飛行機がどんどん減って行くではありませんか。それは軽飛行機のオーナー達が、万一のときに撃墜されることを恐れ、どんどん自分の機体をジオン軍占領地の外に逃がしたためでした。何しろミノフスキー粒子が濃いので、ちょっと所用で飛ばすと言って空にあがったら、あとはどこをどう飛んでいるのか分かりません。そのまま連邦軍が支配する空港に着陸しても、ジオン軍には察知できません。

 ジオン軍は焦りました。このままでは偵察に使える飛行機がなくなってしまう。

 とうとう、ジオン軍は自前の航空機を使わねばならないところまで追い込まれました。そして、そのとき、ジオン軍が最前線で使えたのは、やっと試作段階を抜けたばかりのドップの他には、ルッグンしかありませんでした。

 幸か不幸か、ミノフスキー粒子散布の仕事もなく、ルッグンは暇を持てあましていました。これは丁度良いということで、ルッグンによる偵察隊が編成されました。そして、ミノフスキー粒子タンクを空にした身軽なルッグンが定期的に偵察と哨戒任務に就くようになりました。

 これにより、やっとジオン軍は、連邦軍の不意打ちを防ぐ態勢を完成させたのでした。

 しかし、すぐにこれは新しい問題を生みました。ルッグンはもともと偵察を意図した機体ではないため、窓が狭かったのです。その上、航続距離が短かったのです。そのため、敵の上を通過しても見落とす場合があり、また、最短コースで哨戒する必要があるため、どうしても見落とされる地域が出てきました。

 いったい、どうしようと、関係者は考え込みました。

 続きます。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

Facebook

このコンテンツを書いたトーノZEROへメッセージを送る

[メッセージ送信フォームを利用する]

メッセージ送信フォームを利用することで、トーノZEROに対してメッセージを送ることができます。

この機能は、100%確実にトーノZEROへメッセージを伝達するものではなく、また、確実にトーノZEROよりの返事を得られるものではないことにご注意ください。

このコンテンツへトラックバックするためのURL

http://mag.autumn.org/tb.aspx/20020609204917
サイトの表紙【機動戦士ガンダム】の表紙【機動戦士ガンダム】のコンテンツ全リスト 【機動戦士ガンダム】の入手全リスト 【機動戦士ガンダム】のRSS1.0形式の情報このサイトの全キーワードリスト 印刷用ページ

管理者: トーノZERO連絡先

Powered by MagSite2 Version 0.36 (Alpha-Test) Copyright (c) 2004-2021 Pie Dey.Co.,Ltd.