2002年06月12日
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宇宙世紀の駄ッ作機 短距離離着陸連絡機ドラゴン・フライ(続き)

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 航空スポーツの入門級のライトプレーン「ライトニング・ドラゴンMARK-III」は、ミノフスキー粒子の濃い最前線に次々と送られていきました。それらは、連邦軍の迷彩塗装を施され、ラジコン飛行機操縦を含む、多少とも飛行に関する知識を持つ将校や兵によって飛ばされました。どこの基地でも、封印された書類を積んで1日に何回も離陸していく光景が見られました。

 しかし、正規に訓練を受けていない者達が、マニュアル片手に見よう見まねで飛ばすことが多いため、事故も多発しました。更に事故を起こすだけならともかく、命令書が敵の手に渡る事態が起こったことで、免許もなく勝手に飛ばすような状況は改めねばならない機運が起こりました。

 そこで、連邦軍内にも、自動車やトラックの運転教習と並んで、ライトプレーンの操縦教習のコースが設置され、基本的にそれの修了者以外は操縦してはならないことになりました。

 機体の方も、民間機のままでは、いろいろと不都合があることが分かってきました。たとえば、敵味方識別信号発信器を欠いているために、味方から誤射される危険が常にありました。ミノフスキー粒子のために、ほとんどは有視界で判別して射撃を行っていましたが、たまにミノフスキー粒子が遅くなると、電子装備を使った自動射撃を行うことがありました。こういうときに、この機体がのんびり飛んでいると、それを敵と認識して撃墜してしまう危険があったのです。また、電気系統のコネクタや、燃料系統のバルブなど、連邦軍で使われる標準パーツと異なるものも多数使用されていて、整備に余計な手間が掛かりました。

 そこで、「ライトニング・ドラゴンMARK-III」を完全に軍用規格に変更した連邦軍専用モデルを開発することが決定されました。

 この機体は、軍の技術者が全面協力することで、2週間という異例の早さで開発されました。この機体は、ドラゴン・フライヤーと呼ばれていましたが、長くて呼びにくいということで、正式採用時にドラゴン・フライという名称に改められました。しかし、続けてドラゴンフライと読めば、トンボのことです。凄い航空機を多数取りそろえた連邦軍としては、この機体はトンボのようなものと言えたかも知れませんが、関係者はちょっと馬鹿にされたような気分になりました。

 しかし、名前がトンボであろうと、ドラゴン・フライは戦場で不可欠な「空飛ぶ自転車」でした。また、ドラゴン・フライ操縦免許を持っていれば後方の司令部勤務になれるという噂が広がり、多数の新兵がドラゴン・フライの操縦教習を受けました。その結果、操縦免許を持った兵士はどの部隊にもごろごろしているという状況になりました。また、安価はドラゴン・フライは、次々と最前線に送られてきて、もはやドラゴン・フライをどこの誰が操縦してどこに行ったのか、誰も把握しようとはしなくなりました。それこそ、将官のペットの急病時の輸送に使われたり、酷いものになると、不倫デートのために秘密の場所にドラゴン・フライで飛んでいって逢うということまで行われていました。

 その結果、オデッサ作戦におけるエルラン中将の裏切り事件のとき、誰も行く先不明のドラゴン・フライの飛行を気にしないという事態が発生したのです。エルラン中将は、子飼いの部下にドラゴン・フライでジオン軍と連絡するように命じましたが、特別にドラゴン・フライの操縦免許を持った部下を捜す必要はありませんでした。また、ドラゴン・フライのフライトをいちいちチェックする者もおらず、たいていは「エルラン中将の命令で連絡飛行に行きます」と言うだけで通っていました。

 しかし、その状況は素人集団ホワイトベース隊が不審なドラゴン・フライの飛行を発見し通報したことで明るみに出ました。ドラゴン・フライは、連邦軍のどこの基地でも見かける珍しくもない機体ですが、宇宙から降下してきたホワイトベース隊は、ほとんどドラゴン・フライを見たことが無く、何か特別なことが行われていると思い込んだのでした。

 さて、ドラゴン・フライのような非武装の貧弱な機体が戦場を飛び回っていたと言うことが奇異に聞こえるかもしれませんが、実際にはミノフスキー粒子のおかげで、ジオン軍に察知されることは少なく、ドラゴン・フライがジオン軍の攻撃に晒されるのは、偶発的な遭遇が起きた場合に限られました。

 たとえば、1年戦争後期に、連絡任務のドラゴン・フライと、攻撃を終えて帰投する途中のザク搭載ドダイYSが偶然に遭遇したことがありました。

 続きます。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

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