今回のLAST EXILEも非常に多くの点で、実に見事でした。
こんな凄いものを毎週見せられたら、もうガンダムSEEDぐらいでは満足できませんね。その点で、とても罪なアニメです。
内容を順番に見ていくと。
エンジンの点検をしようという相棒。水抜きしないと飛べない、というけれどエンジンに引き寄せられて化け物が来ることを恐れて、しばらく待とうという主人公。この会話の空気が見事ですね。大丈夫だと言いながら恐れている主人公。嫌がっているが準備は怠らない相棒。複雑な人間の心理がよく出ています。
会話しながらワイヤーを巻き取っている描写。
死んだチキン婆さんの話をして仕事をやめさせようとする相棒。でも、三日前に市場で会ったと言う主人公、という微笑ましい会話。こういうシナリオが書けるところが素晴らしいですね。
上空を飛んでいく飛行機械のさりげない描写。
積み荷の女の子が寝るシーンの自然さと説得力。
深夜に目覚めた女の子が人形と戯れるシーンの素晴らしさ。動きで延々と見せていく演出力、表現力、確かなコスト負担能力。
怪物に破壊される建物を壊される建物の内部からの視点で描いているのが良いですね。あくまで彼らの視点から見た恐怖感です。
水路で舵を使って方向転換するさりげない描写。
そして、水路で選択する最後の決断。水路を選ぶことが、彼らの向かう未来を選ぶことになるわけですね。
ちゃんと相棒が持ってきている夕飯の残り。水もちゃんと持っているのが偉いですね。ちゃんと地に足が付いた生きている人間という感じがする描写です。
女の子が何度も名前を呼ぶ男はもう居ないと、女の子自身が自分で気付いてしまう。こんな良い展開を立派に描くアニメが他にあるでしょうか。とても良いドラマです。
水路で出会う怪物。機首まで走っていってエンジンクランクをまわす相棒。主人公達の上を通過していくわけですね。
そして、「息を止めて!」という主人公。その脇で、口をおさえる女の子の仕草の可愛さ。しかも、その可愛さを過度に強調しない演出の気持ちよさ。
「フック用意して」「あいよ!」という声の掛け合いの良さ。
滝に垂直降下してフックで引いている相手を叩き付ける荒技。何か凄い超兵器じゃないところが良いですね。
自分の飛行機械の撃たれた箇所を見てため息をつく主人公と、「もうすぐ迎えが来るはずよ」、という相棒のちょっと優しい表情。こういうものを見せてくれる気持ちよさだけでも、本当は見事なものです。
と~のは、ともかくこの作品を有無を言わさず応援しています。
ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。