2003年06月03日
川俣晶の縁側ソフトウェアMagSite1開発日誌 total 1938 count

アクセスカウントへのこだわり、なぜそれは必要とされたのか?

Written By: 川俣 晶連絡先

 MagSite1の最大の特徴は、コンテンツ単位のアクセスカウントです。よくある日記系サイトの作成ツールなどには、これほど凝ったアクセスカウントの機能はありません。というよりも、表紙のページに最近の内容を全て表示するスタイルだと、個別のコンテンツのカウントを取ることはできません。逆に言えば、MagSite1では、個別のコンテンツのカウントを取るために、最近のコンテンツの内容を表紙に表示していません。そのかわりにランキングを出しています。

 明らかに、表紙に最近のコンテンツが見えていると、ナビゲーションの頻度が減って便利です。それなのに、そのメリットを捨ててアクセスカウントにこだわるのか。その理由は、それが1つのコミュニケーションツールである、という点にあります。

 通常のサイトでは、書き手と読者は分離していて、コミュニケーションは書き手から読者への一方通行になりがちです。掲示板のようなものがあれば読者も発言はできますが、実際にそれを行う比率は低いものです。しかし、何もものを言わず、サーバのログにだけ足跡を残すような読者にも、何かささやかな自己主張する手段は無いものか。もちろん、自分の意見を書け、というような要求は無謀です。それができるぐらいなら、掲示場に書いています。それができない読者がささやかな自己主張をする手段として、アクセスカウントを考案してみたわけです。自分が読めば、誰もが見ているカウントが1つアップするという形で、足跡を残すことができます。それは、読者がそこにいたという事実を、多くの人の目が認識しうるということです。

 たかがカウント1つと馬鹿にする人もいるかもしれませんが、実際にやってみるとなかなか面白いものです。それは、と~のZERO歳のサイトで1年以上実際に運用して分かったことです。いきなり数百というカウントが付く話題は、ああ、非常に人気があるのだなと思って、それに自分も1足したということで、時代の流行に自分も乗っているのだと実感できます。逆に、わずか数個しかカウントが入っていない話題を自分も読んでカウントを足すと、少数でも同志がいることを確認できると同時に、ここにも同志がいるぞと、ささやかな足跡を残すことができます。

 更に、意識的にカウントをウォッチして分析することによって、何か面白事を発見できるかも知れません。

 アクセスカウントはうまく使えばとても面白いのです。

 そこでもう一度重要なことを繰り返すなら。この面白さに参加するのに、特別な操作は一切不要だという手軽さが重要です。このサイトを見に来る人すべてが、このささやかなカウントを通じたコミュニケーションに参加できるのです。

 という考えが正しいかどうか分かりませんが、どうもあながち間違いでもないような気がしているので、MagSite1を作ってみました。いや本当に、これは大変な作業でしたよ。この構造だと、複数ページを軽くナビゲーションして移動できなければならないのに、膨大な数字をリアルタイムで集計してランキングに反映しなければなりません。この相反する要求に対応するのは、大変でした。かなりに試行錯誤も要して、回り道をもしました。