2003年09月06日
川俣晶の縁側過去形 本の虫感想編 total 2675 count

20世紀少年 14 浦沢直樹 小学館

Written By: 川俣 晶連絡先

 買った後、乗った電車の中でヒカ碁23巻を読み切って、すぐにこれを開きました。そして、目的地到着前に読み切りました。一気に読み切れてしまう面白さがありますね。

 「ともだち」の死というアクシデントから始まり、過去のバーチャル映像の中で死なない「ともだち」という奇怪な現象に至るドキドキの物語。

 バーチャル映像の1971年の雰囲気は、何となく分かります。私は1964年生まれですから、1971年といえば既に物心が付いてくる頃です。ボーリングのブームも分かります。もちろん、子供ゆえに、やったことはありません。ですが、ボーリング場が建設されて、巨大なピンの形をしたオブジェが付けられた建物を見ながら歩いたことは何度もあります。空き地がボーリング場に変わるという、あの時代の感覚も分かります。中山律子さ~~~~んも聞き覚えがあります。

 そういう意味で、ある種の懐かしい泣ける要素があると同時に、得体の知れない「ともだち」や「遊民党」の恐ろしさや、必死に戦い続けるくたびれた中年の物語としての側面等も魅力ですね。

 また、自分から危険に飛び込むカンナ。逃げたがっている普通の女の子の小泉響子普通っぷりも魅力ですね。

 とはいえ、まだ完結していません。まだ続きを待って買わねばなりませんね。