2003年11月02日
川俣晶の縁側過去形 本の虫感想編 total 3182 count

ギャラリーフェイク 29 細野不二彦 小学館

Written By: 川俣 晶連絡先

 寝る前の時間に何となく眺めていたら読み終わってしまいました。

 この巻の主役は、半分以上を占める水晶のドクロ編ですが。

 それよりも、前後の短い話が、短くスカッと来るところがあって良いですね。

 腕時計マニアの父親と娘の話は、一見ダメな父親に見えながら、実は凄く鋭いところを持っているところが、中年として気持ちよく読めますね。

 最後の話は、茶碗の修理と修復の違いは何か、という話ですが、藤田を尊敬する若者が動いているのに、実は裏で藤田がちゃんと動いているところが面白いですね。

 それから、ランチの最後はナスのピザでしめる、ということにこだわる藤田も面白いですね。

 もちろん、悪魔に魂を売っている、という藤田もなかなかに魅力的です。