biacさんが、LonghornのSDKのサイトに面白いものがあるというので見に行きました。
それはページ下部にあるDiscussions from other sourcesという部分です。
これはAnnotations Serviceと呼ばれる技術を使った新しいサービスが表示される場所です。
これが、えらく面白い機能であるということで、時間もない切羽詰まった状況なので、こんな無駄な文章を書いてみることにします。
ちなみに、1ヶ月以上前に、既にNTユーザーならお世話になった人も多いであろうあの河端善博さんが話題にしていました。さすが河端さん。
この機能は何をしてくれるのか §
MSDNのサイトには、ページにコメントを付ける機能があって、議論などが行われている場合があります。これらの情報の中には有益なものもありますが、これは全てマイクロソフトが保存して管理している情報です。
このAnnotations Service機能も、同じようにページ関連の情報を同じページ内に表示します。しかし、異なっているのは、ここに表示される情報は、マイクロソフトが管理していない他サイトの情報であると言うことです。他サイトの情報を取り込むために、RSS 2.0が使用されます。対象となるサイトは、ユーザーが自分で設定します。そして、それらの情報は、Webブラウザ上で合成されて1つのページとして表示される形となり、そのプロセスにマイクロソフトのサイトは関与しません。つまり、ユーザーサイドでページ内容を無限に拡張可能であるということです。実に興味深いですね。
これは良いことばかりではなく、マイクロソフトに対してネガティブな文章を付けることも不可能ではありません。その場合、マイクロソフトは、自分のサイト内のページの一部であるかのように利用者から見える文章に対して、手出しできないことになります。そのような機能を実験的とはいえ、提供しているのは太っ腹だと言えます。
どう使えば良いのか §
Internet Explorer 6.0と.NET Framework 1.1が必要です。もし入っていない場合は、Windows Updateから入れておきます。
それから、上記ページのDownload a componentという箇所をクリックして必要なコンポーネントをインストールします。
インストールが完了したら、上記ページの上記の箇所からDownload a componentという文字が消えるので、正常にインストールできたか判断できます。
インストールできたら、右上のSubscriptionsという箇所をクリックすると、設定ダイアログボックスが出きます。
ここで、RSS2.0形式で情報を提供するサイトの、RSS2.0文書のURLを登録します。デフォルトでは、オライリーのサイトが推奨リストにあるので、これをSubscribeボタンをクリックして登録します。
このあと、LonghornのSDKのサイトをネットサーフィンしていくと、オライリーの提供する記事のあるページではそれが表示されます。
といっても、現状では総ページ数の割に記事数が少ないので、偶然に遭遇することを期待して見ていくと滅多に当たりません。直接RSS2.0文書を調べて開いた1つの例を以下に示します。
この機能はどう使えるか? §
この機能は面白いですが、はたしてどう使えば良いのでしょうか。実用的な価値はどれほどあるのでしょうか?
これはまだ分かりません。
ただ、マニュアルの注釈本的な解説書が作りやすくなった、という印象はあります。マニュアルはとかく解説が不足しがちで、それを補い解説書がいろいろ世の中にはあるわけですが、それらが1つのページ内で緊密に連携しながら読めるような電子書籍の形態があり得るかも知れません。それは、新しい可能性へのチャレンジと言えますね。
オマケ・こんなに苦労させられて §
そもそも、この機能は何をしてくれるのか、最初はさっぱり分かりませんでした。英語の文書を読むのも大変なので、ざっと流して見て、どうもRSSに関係するらしいということで、何をするのかも分からないままに面白そうだと思っていました。
とりあえず動かしてみれば分かるだろうということで、Download a componentという箇所をクリックしてインストールしましたが、何も起こりません。本当なら、右上のSubscriptionsという箇所をクリックすると、設定ダイアログボックスが出てくるのですが、出ません。
いろいろ試した結果、結局私の仕事用のパソコンでは最後まで動作しませんでした。何の変哲もないWindows XPパソコンです。しかし、ノートパソコン(Windows XP)と、テストマシン(Windows 2000)では正常に動作しましたので、おそらく私の仕事用のパソコンだけの問題だろうと思います。
ちなみに、このページの構造も、ある程度調べてしまいました。ローカル環境でテスト稼働できるように切り出して、例外をキャッチしないで表示させるように修正したり、かなりの手間を食ってしまいました。それだけの手間を掛けても、原因が分からず、トホホな感じです。このマシンも、OSの再インストールが必要かな。
編集者の方々へ §
こういう「ちょっと面白いものを見つけて遊んでみたよ」的な原稿の依頼は、可能です。極度に堅い技術解説しか発注できないかのような錯覚はぜひとも持たないで下さいね。むしろ、こういう面白さを訴える原稿の方が、読者も楽しめるし、書く方も張り合いがあるというものです。たとえば、ここで紹介した機能を解説する原稿を依頼してみようか、という場合はお気軽にお声をお掛け下さい。