2003年12月23日
川俣晶の縁側ソフトウェアMagSite1開発日誌 total 2910 count

MagSite1 0.23リリース spam対策として電子メールドレスは画像で

Written By: 川俣 晶連絡先

 Webサイトに連絡先として自分の電子メールアドレスを掲載しておくと、ドカッと驚くほど大量の迷惑メールが届きます。これは実に嫌なもので、何とかしてほしいと思います。もちろん、これは技術で完全に解決できるものではなく、社会の問題として取り組む必要があると思います。結局のところ、迷惑メールに法律でお墨付きを与えるような行為が繰り返される限り、絶対にこの問題が収束することはありません。

しかし、連絡先を掲載しないのも困りもの §

 電子メールアドレスを掲載すると迷惑メールが来るからと言って、掲載を辞めるのは間違った対処だと思います。実際に、サイトの運営者に連絡を取りたいと思い、電子メールアドレスを必死に探してしまった経験があります。公開されているサイトを運営していのであれば、連絡先を明示することは、求められるマナーだと思います。

 そもそも、電話番号や住所など、直接的に個人を特定しうる情報ではないからこそ、電子メールアドレスを掲載する価値があるわけです。その電子メールアドレスすら掲載しないとすれば、一人前のサイト運営者として尊重されない可能性もあり得るでしょう。

 少なくとも、何らかの方法で連絡先を明示することは、サイト運営者としては必須の条件だと思います。

 しかし、それは大量の迷惑メールを必ず受けろ、という意味ではありません。それに対する対策が無い、と言うわけではないのです。

 いろいろな対策が考えられますが、少なくとも迷惑メール対策として容易に打てる手は打っておくの限ります。

迷惑メール対策として容易に打てる手とは §

 とりあえず、最初の段階として、弊社製品のりすと亭では、電子メールアドレスをリンク対象にしないように変更しています。バージョン3では、mailtoによってリンクとして埋め込んでいましたが、バージョン4では単なるテキストに変更しています。これは容易にできる変更ですが、これにより迷惑メールのために電子メールアドレスを回収するロボットの動きを多少は抑えられたと思います。もっとも、賢さを増しつつあるロボットを相手にするには、この程度では不十分と言えるでしょう。対策はこれで終わりというわけではなく、これからもパワーアップしていきたいと思っています。

今回は画像だ! §

 MagSite1でも、管理者の電子メールアドレスを表示する際に、mailtoによるリンクは行わず、最初から単なるテキストにしていました。これは、容易にすぐ打てる手として、開発中に実現させていたものです。しかし、これが全てというわけではありません。

 今回のバージョンアップ(Version 0.23)では、管理者の電子メールアドレスを自動的に画像ファイルに変換して表示する機能を付け加えました。これにより、管理者の電子メールアドレスとして登録された電子メールアドレスが、文字データとして送信されることはありません。画像を解析して電子メールアドレスを抽出するか、あるいは人間が目で見て電子メールアドレスの名簿を作らない限り、迷惑メール業者に知られることは無いでしょう。現時点で望みうる、最高レベルの安全性が確保されていると思います。ぜひ、この機能を活用して下さい。

補足 §

 文字データとして送信されることはない、ということの例外があります。

 通知メールのヘッダーに含まれる文字列としては送信されます。これは電子メールシステムが要求する仕様上、入れざるを得ない文字列です。ただ、「自動通知機能による送信先のメールアドレス」に、公開メーリングリストなど、自由に閲覧可能なシステムに送信してしまわなければ、事実上問題はないと思われます。