相変わらず現場の視点から描かれた描写が素晴らしいですね。
いちばん泣けたのは、飛行艇を誘導する潜水艦に対してライトを点灯してみせる飛行艇。いつ敵から攻撃されるか分からない危険な誘導任務の潜水艦は、無線で連絡することも禁じられています。その相手に、ライトを付けて任務が達成されたことを知らせたわけですね。とても危険な行為ですが、現場にいる者達の心と心のドラマとして、とても泣けました。
それから、損傷した飛行艇が着水したときの低板のうねりの描写。これは、凄い生々しさを感じさせて、凄いものだと思いました。
カタパルト装備の護衛空母と、カタパルトで打ち出せる攻撃機南山改というのも、実際に何とかなりそうなリアリティを感じさせて面白いですね。潜水空母大活躍、のような小説よりも、遙かに面白みがあります。