タイラー外伝といっても明治にタイムスリップするわけではない、とちゃんとあとがきに書いてありましたね。
それにしても面白いですね。いきなり辺境の異国で奴隷となるタイラー、ユリコ、ヤマモトの3名。そこでもマイペースのタイラーと、なかなかピンチがドキドキの美女ユリコ、そして有能さを発揮するヤマモトというのが面白いキャラクター性です。
特にうならされたのは、前半の艦隊戦シーンの力の入り方。背表紙に異世界に飛ばされると書いてあったにもかかわらず、それを忘れさせ、艦隊戦で私の頭をいっぱいにさせられました。それゆえに、勝利のあとの大きな悲劇の意外性が際だちます。
この構成と筆力の確かさは、なかなか魅力的だと思います。