2004年02月22日
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ワンフェス2004冬 入場行列1km、リカヴィネ難民を救うために生まれたリセヴィネは、新たなるリセヴィネ難民を生むか?

Written By: 川俣 晶連絡先

 なぜが「公」「私」ともにスケジュールが詰まりまくった地獄の2月。「私」の最後の外出予定となるはずのワンフェス(ワンダーフェスティバル 2004[冬])に行こうとしました。そして、挫折しました。

 今回のワンフェスでは、ちょっとだけ、限定商品のリセヴィネが欲しいな、という気持ちがありました。

リセヴィネとは何か? §

 リセヴィネというのは、リカヴィネの首をワンフェスのマスコットキャラクターのリセットちゃんに取り替えたものです。と言っても、知らない人には何のことやら分からないでしょう。

 リカヴィネというのは、おそらく、リカちゃんのヴィネットの略だろうと思います。リカちゃんとは、女児玩具の王者、着せ替え人形のリカちゃんのことです。ヴィネットというのは、極大ざっぱに言えば、小さな台の上に載った模型、というような意味だと思います。たとえば、戦車の模型はそれだけでは模型です。しかし、小さな台を用意して、そこに地面や様々な小物を付け、そこに戦車を置くとヴィネットになります。しかし、大きな台を用意して壮大な模型情景を作るとダイオラマ(ジオラマ)と呼ばれるものになってしまいます。

 さて、リカヴィネは食玩と呼ばれるカテゴリの玩具になります。安価で小さいもので、お菓子も一緒に入って、コンビニなどで売られていたようです。

 ここで問題になるのは、これが本来意図した子供以外にもバカウケして、大きな人気が発生したことでしょう。大きなニーズが発生したにもかかわらず、売れ残りを嫌うという事情のために、再生産は行われず、少数のアイテムが高値で取引されていると言います。欲しくても入手できなかった人も多いそうです。

 そういう事情から、ワンフェス限定商品として、顔をリセットちゃんに変更したリセヴィネなる商品が企画されたのだそうです。これで、リカヴィネが欲しくても手に入らなかった人もOKだし、ワンフェス限定商品という位置づけなら売れ残りの問題は起きません。

 実は、ちょっとリセヴィネは欲しかったので、今日はちょっと早めにワンフェスに行くことにしました。ちょっと早めと言っても、ディーラーとして出ない場合はいつも混雑を嫌って遅めの時間に行っていたわけで、開始時刻あたりを目処に行くという意味でしかありません。

どこまで続くか行列よ §

 国際展示場駅までりんかい線で行きましたが、さほど混み合っているわけでもなく、とても楽観的な気持ちでした。到着時間は開始時刻の10時を10~15分ぐらい過ぎた頃です。

 しかし、見ると長い行列が出来ています。会場から、ゆりかもめの下を越えて、有明フロンティア?の角を東に曲がり、そのまま続いています。どうも、最後尾に付かねばならないようなので、そのまま行列の最後を求めて歩きました。そのまま、つどい橋を越えて先まで見えるようになりましたが、まだ行列は続いています。これまで歩いたことがない場所を更に先まで歩きます。横手に、いつか行こうと思っていた水の科学館が見えてきました。更に夢の大橋を超えて行きます。いつもなら、ゆりかもめに乗ってしばらくしてから見えてくる観覧車がすぐ近くに見えて来ました。

行列の終端折り返し部分行列の終端折り返し部分 [300x225] [600x450] [750x562] [1000x750] [1632x1224]

 夢の大橋を超えたところで道は終わりになります。そこで、行列は僅かに折り返していました。地図上で見ると、ワンフェスの入り口と推定される場所との移動距離は1kmに達すると思われます。地図上で確認しても、明らかに隣駅の方が近い位置です。ちょっと冗談になっていません。大した経験もない人間が言っても意味はありませんが、過去の経験上、こんな行列は見たことがありません。

最後尾の係員が言うことにゃ §

 さて、最後尾まで来ると係員が叫んでいました。ここは入場券になるガイドブックを持っている人の行列で、持っていない人はガイドブックを買ってから並んでくれ、だそうです。

 そこで、ガイドブックはどこで売っているのかと聞くと、会場そのもののようです。つまり、1km戻ってガイドブックを買って、また1km引き返して来いと。それまでに、既に駅から1kmは歩いています。

 おそらく、主催側もこんな行列ができるとは予測していなかったのでしょう。その点で、係員を責めるのは酷という感じもしますが、とんでもない現場に遭遇してしまったものです。

12時頃に見た情景 §

 結局、ワンフェスに入るのは断念して、水の科学館を見学してしまいました。

 そのあと、見てみるとあれだけあった行列は無くなっていました。今ならサクッと入れて見ることができるかと思って、入り口に向かってみました。

 ところが、ガイドブック購入にけっこう長い行列ができていました。まあ、1kmと比較すると、比較にならないほどの短さです。しかし、どう短く見ても、10分では済みそうにありません。早めに帰りたい用事があったので、たとえガイドブックを買えても中を見る時間が取れないのは確実なので、ここで完全にワンフェスを断念しました。

 ディーラー、いっしょにね、のN.BOYさん、行けなくてごめん。まあ、彼はここを読んでいないと思うので、書く意味がどれほどあるか分かりませんが (汗)。

行列の原因を考察する §

 なぜ今回に限って行列が伸びたのか。いや、正確に言えば、私も毎回行列を確認している訳ではないので、今回が本当に特に長いのかどうか分かりませんが。長いとすると、その原因は何かを考えてみました。

 すると、原因はリセヴィネにあるとしか思えません。リカヴィネブームと食玩ブームの熱気が、ワンフェスの常連ではない人達を呼び寄せたのかもしれません。

 そうすると、リカヴィネが手に入らなかった難民達を救済するために企画されたらしいリセヴィネは意図したよりも多くの人から求められているのかもしれません。つまり、リセヴィネが欲しかったのに手に入らなかったリセヴィネ難民を生み出した可能性があります。リカヴィネ難民を救済するつもりが、新しいリセヴィネ難民を生み出してしまったということですね。なかなか面白い矛盾です。

 リカヴィネ/リセヴィネは、関係者が思っている以上に、大きな動きとして社会的に大きな影響力となっているのかもしれません。