2004年05月23日
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無意識下に強い自己規範を持つ見上げた少女、サンディ!?

Written By: トーノZERO連絡先

 謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!

 今日のマシュマロ通信の感想。

サブタイトル §

第8話「街のシンボル、スネイルくん」

あらすじ §

 クラウドと待ち合わせたサンディは、高いところに引っかかってしまったクラウドの帽子を取るために、うっかりスネイルくんの像を外してしまいます。

 サンディは後で戻しておこうと思いますが、大事件になって戻す隙がありません。

 実は、スネイルくんは、この街の過去の出来事と関係する重要なものでした。

 かつて、カタツムリが大量発生して野菜を食べ尽くしたとき、そのカタツムリを食べてこの街の人々は生き延びたのでした。カタツムリの墓の後が、スネイルくんの像だったのです。

 そして、大雨の後、スネイルくんが大量発生しました。スネイルくんが通った後は、接着剤のように足を付けて動けなくする作用がありました。街は大混乱になりました。

 クラウドは、一人でスネイルくんの像を戻そうとします。

 没になった号外の紙を敷いて進むクラウド。しかし、紙は足りません。そこで、スネイルくん達がクラウドが進めるように助けてくれました。

 クラウドがスネイルくんの像を元の場所に戻すと、スネイルくん達と、それが通ったあとは消滅しました。

 しかし、街の人達はクラウンをスネイルくんを盗んだ犯人として非難します。

 真犯人のサンディは、そのことに驚きます。しかし、クラウドは元々自分の帽子のせいでこうなったのだから、これで良いと言います。

 サンディは怖い夢を見て、翌朝、自分が犯人だと街の人々に謝りました。

感想 §

 今回の話は、スネイルくんの話として見ると、整合性のない変な話に見えるかもしれません。実際、そんな風に途中まで見ていましたが、クラウドを助けたり、像が戻ると消えてしまうスネイルくんの描写は、あまりにも筋が通りません。お化けや祟りの話として見てすら、筋が通らないような気がします。

 しかし、今回はサンディの心の中にある、より良くありたいと願う自己規範のドラマであるとすると、非常に魅力的であることに気付きました。まさに、それを描くためのドラマであるように思います。

 自己規範というのは、悪いことをしてはいけない、といった条件を自らに課す規範です。サンディは、ずいぶんと自己主張が強く、我が儘な面もありますが、それと同時に自らを厳しく律する面もあります。そういう面は、意識の裏側の無意識から、強くサンディ自身を責め立てることもあるでしょう。サンディが見る夢は、そういうものが見せる夢だと思うと、サンディというキャラの魅力につながります。

 今回は2回の夢を見ますが、2回とも出てくる校長先生の意味。そして、2回目に出てくる巨大なクラウドの意味。それらを考えると、なかなか奥深いものがありますね。

 ともかく、単純には済まない人間の心の姿を示すドラマとしても面白いし、なかなか楽しめました。

今回の一言 §

 それにしても、カタツムリを食って飢えを凌いだという話は、日本人には分かりにくい内容かもしれませんね。でも、そういう話をあえてやるところが好感です。