2004年07月17日
トーノZEROアニメ感想ケロロ軍曹 total 3448 count

裏キャラの同じネタが続くかと思いきや、まったく違う展開に!?

Written By: トーノZERO連絡先

 謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!

 今日のケロロ軍曹の感想。

サブタイトル §

「モア 裏モア 降臨!? であります」

「モア モアモア大パニック であります」

あらすじ「モア 裏モア 降臨!? であります」 §

 モアが街で暴力を振るっているところが目撃されます。

 モアには誰にも秘密に外出している時間があることが分かり、善良なモアに実は裏の人格があるのではないかと皆が疑います。

あらすじ「モア モアモア大パニック であります」 §

 モアは、地球に来たときにモデルにした少女がいることを告白します。

 暴力を振るっているのはその少女でした。彼女は友達を助けるためにたった1回だけ喧嘩をしました。そのことで人生が狂ってしまったことに、やけになっていたのでした。何もかも滅んでしまえば良い、という少女の願いを聞いたモアは地球を破壊する作業を始めます。しかし、それが耐え難いことであると気付いた少女はモアにそれを止めさせ、自分が間違っていたことを告白します。

 モアがこっそり外出するのは地球を綺麗に割るための活断層の研究だったことが分かります。

感想 §

 見ていて、ケロロ軍曹とは、川俣さんの買ってきた〈美少女〉の現代史――「萌え」とキャラクターという本に書かれた1980年代的な萌えの構造にピッタリ適合する作品だなぁと思うことしきり。

 つまり、こういう風に書かれた部分にピッタリ適合するということです。

64ページより

 だからそのときに、彼女は「傷つきやすい存在」となります。その女性が本当に傷つきやすいかどうかは、とりあえず問題ではありません。そのときに、男が一方的に彼女の内面に「傷つきやすさ」を見いだしているのです。

 だから男性である私はもう彼女を傷つけることができません。つまり、彼女はもう決して傷つくことはありません。彼女は、とても傷つきやすいからこそ、それを意識してしまった私の前では、もう永遠に傷つけられないのです。

 こうして、美少女は絶対的な存在として男性の前に出現し、どんな敵でもやっつけてしまう最強のキャラクターとして君臨します。

 たとえばケロロ小隊の面々はけして夏美に勝つことはできず、更に夏美のママは夏美以上に強い存在です。それは本来ならあり得ないことで、ギロロあたりが本気を出せばこの程度の人間の女性達はあっさりと屈服させられてしまうはずです。しかし、ギロロは夏美への恋愛感情を通して、夏美を傷つけることができない立場へと変化します。このような周辺の変化によって、夏美はただ単に気持ちと腕力が強い女の子である段階を超越し、最強の絶対的な存在へと変化します。同じような構造が作用することで、ケロロ軍曹に登場する美少女達は、皆、いかなる男性もが太刀打ちできない最強さを手に入れます。

 今回、モアのモデルになった少女も同様に最強のキャラクターという性質を付与されています。彼女はけして喧嘩に負けません。そして、彼女の心は傷ついています。傷つきやすいと意識されたのではなく、既に傷ついてしまっています。しかし、男達では彼女の心に手を出すことができません。美少女の心を傷つけることを恐れる男達は、その領域に手を差しのばすことができないのです。そして、彼女の心を癒し得たのは、同じく最強のキャラクターである美少女キャラのモアでした。

 このような構造は、1980年代のあたりにはいろいろなジャンルでよく見られたと思いますが、それが復活していることがケロロ軍曹の特徴と言えるかもしれません。

 それはさておき、今回最も良かったのは、ギロロです。夏美とサブローの間に入り込んで座るギロロ。それが、ギロロになし得る最大限ということですね。それ以上踏み込むことは、夏美を傷つけてしまうことを恐れるギロロにはできない領域です。

 前回に続き、裏キャラの話であることを匂わせておきながら、まったく違う話に仕立てたのも面白いですね。

今回の一言 §

 あ~~~、だからさぁ。これってベースになっているのはセブンだよね。

 宇宙から来た宇宙人が地球人をモデルにして人間に化けるのはセブンだよね。もちろん、それだけでセブンとは言い切れないのだけど、ちょっと前にダリーというネタがあったから。実はよく見ると、もっとセブンっぽいエッセンスが見つかるかも。ガンダムネタ探してる場合じゃないかも。