2004年08月05日
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「熱血VBプログラマ応援団 第10回 初めて触れるプログラミングをVBで」についての補足

Written By: 川俣 晶連絡先

 メサイアさんの日記で、熱血VBプログラマ応援団 第10回 初めて触れるプログラミングをVBで ―― Visual Basic 2005 Express Editionによって切り開かれる古くて新しい可能性 ――について言及されています。

 FAQとなるような内容も含まれると思いますので、ここで補足説明を加えておきます。

 http://www2.biglobe.ne.jp/~k-kame/daily/200408.htmの「4日 水曜(はれ)」の「はじめてのプログラム」より

熱血VBプログラマ応援団 第10回 初めて触れるプログラミングをVBで ―― Visual Basic 2005 Express Editionによって切り開かれる古くて新しい可能性 ――今時はプログラミングより、やはり(静的な)htmlかなと思います。新人の女の子にサポート用のページを作ってもらっていますが、保存して、即座に結果で伝わるのは初期のインタプリタ型のBASICに通じる物があるかもしれません。

 プログラミングの初体験についての話題なのにプログラムではない静的なHTMLでは話が違うだろう、ということは横において。HTMLを初心者に勧めないことには理由があります。

 HTMLを勧めないのは、HTMLが論理的な文書記述言語であって、抽象度が高いからです。一見、僅かな手順で記述できて、容易に結果を見ることができることから、初心者にも優しいように見えますが、そう見えることが大きな罠となります。実際、HTML関係のトラブルは多く見ていますが、その多くは、何がトラブルであるかトラブルを起こした側が認識できていません。本来、抽象度が高く難度の高い技術を、身体で具体的に習得してしまった弊害と言えます。

 つまり、抽象度の高い論理的なものは右も左も分からない初学者の学習には向かない、という主張に照らして、HTMLは不適切であると言うことです。

 また、直感的なフィードバック性という点でも、VBの方が優れています。

やっぱりね、今時プロジェクト作って、管理して...というのはなかなか難しい。昔なんて、カセットテープがリーズナブルな保存媒体で、電源落としたら消えるというのがスリリングでもあり、お手軽でもある(^^;。最近やっと捨てプロジェクト作るのに影響が少なくなってきましたが、やっぱり一つ作ると10MBとかディスク占有するとなると、どーしてもね...と思う私は貧乏性?(笑)

 Visual Basicは伝統的にプロジェクトの概念を持っていますが、それが初心者の理解に障害になったという事例はないと思います。

 それから、10MBという話はどこから出てきたのか分かりませんが、記事中のじゃんけんゲームのプロジェクトは、リリースビルド、デバッグビルドの全ての中間ファイルを含むプロジェクトのファイルの総量は172KBです。作ってすぐ捨ててしまうプロジェクトを作成するのに障害になるような容量ではないと思います。

初めてやるんだったらおそらくVB 2005 Express Editionでもだめで、統合環境のプログラムを任意のディレクトリにコピーして、ワンクリックで起動、ファイルは一つでそれを読み込めばできる...というような環境が望ましいのではないかなと思います。

 過去の経験上、初心者が取り組んだ場合、セットアップが用意された複雑なファイル構成のプログラムと、1ファイルを任意のフォルダに置くだけのプログラムでは、後者の方が難度が高い傾向が出ています。初学者が使う開発環境という意味では、基本的にはCD-ROMを入れるとセットアップが開始され、スタートメニューに目的のプログラムが登録されるスタイルが最低ラインとして必要とされると思います。

余談 §

 私の中で、なぜVBを選ぶのかという強力な理由として、Webアプリケーション+HTMLというテクノジーに対する強力な不信感があるわけです。こういうシステムは、適当に動くだけで良いと思うなら、いとも簡単に作ることができます。しかし、ある程度の水準で、機能性、確実性、汎用性を実現しようと思うと、とてつもなくハードルが高いものになります。それは、りすと亭、MagSite1といった汎用のWebアプリケーションを作成している立場から強く思います。明らかに、Webアプリケーションとして作るよりも、VBで伝統的なWindowsアプリケーションとして作成する方が、効率も良いし、ユーザーの使い勝手も良くなり、動作の安定性、確実性も上がります。(ユーザーに「戻る」ボタンを押されて処理のシーケンスが壊されることもないし)

 それにも関わらず、未だにWebアプリケーションを作り続けているのは、お客さんの側がそれしか受容しないからです。そのために、やむを得ず、難度の高い問題に取り組む形になっていますが、それはやむを得ずそうやっているだけの話であって、初学者がそれに付き合う必要はないし、むしろ付き合うべきではないと思います。今はWebアプリケーションが強く求められているとしても、近未来も同じとは限らないからです。いままさに時代遅れになりつつあるWebアプリケーションやHTMLに、大きなハードルをいくつも超えてまで付き合うよりも、もっと未来志向であって良いと思います。

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