2004年08月14日
トーノZEROアニメ感想ケロロ軍曹 total 2995 count

いたいけな少年に淀川長治の物まねを強要するケロロ!?

Written By: トーノZERO連絡先

 謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!

 今日のウルトラセブン(違う)の感想。

サブタイトル §

第20話

「冬樹 ミーツ・ア・ガァ~ル であります」

「冬樹 ノントルマの使者 であります」

あらすじ「冬樹 ミーツ・ア・ガァ~ル であります」 §

 ケロロ達は、ケロン軍潜水艦、ロードランジャーで海を侵略すると称しながら遊びに行きます。冬樹達一家らも同行します。

 冬樹は海の底に知的生命体がいるのではないかと考えていて、調査をしたいと思っていました。

 冬樹は謎の少女と出会います。

 冬樹が海岸のゴミを拾うと、少女は喜びました。

あらすじ「冬樹 ノントルマの使者 であります」 §

 ケロロ達は海底に旗を立て、領有を主張します。

 そこに謎の者達が集まってきて、退去せよと警告します。

 ケロロは海中に出ていた冬樹を回収しようとして、誤って魚雷を発射してしまいます。しかし攻撃は効果がなく、反撃されるロードランジャー。

 海中に残される冬樹。

 冬樹への攻撃を、人魚の姿をした謎の少女が止めます。

 ケロロ達が立てた旗は、抜き去られ、全て海上に浮かんでいました。

感想 §

 ケロロ軍曹は、ガンダムに偽装されたセブンである、などといい加減かつ無責任に言ってみたこともありますが。それは大げさな誇張表現に過ぎないと思っていました。

 しかし、これはどうでしょう。

 いきなり、潜水艦の名前がロードランジャー。これが、ウルトラ警備隊のTDF HR-1(2)ハイドランジャーのもじりでなくて何でしょうか。

 更に、今回は第一艦橋などと言う言葉を使って、ガンダムではなく宇宙戦艦ヤマトに偽装を試みていますね。

 そして、話の内容はまさに、ノンマルトの使者と言わずして何と言いましょうか。

 (でも、セブンの話の詳細は、何回も子供時代に見たにも関わらずすっかり忘れていたりして)

 まあそれはさておき。

 本来の意味でのセーラー服を着たギロロ達も、それなりに雰囲気が出ていましたね。

 それから、冬樹が人間ではない謎の女の子と出会うという思春期のドキドキする思いが上手く描けている点も気持ちよいですね。こういうストレートなドキドキ感は、本来当たり前の定番であるはずでありながら、最近のアニメにあってはどこかストレートに描かれることが少ないような気がしますので、ちょっと良い感じですね。

 次回予告は、明らかに古いネタを確信犯でやっているという意思表示ですね。冬樹に淀川長治の物まねを強要するケロロですが、冬樹はさっぱり分かっていません。冬樹ぐらいの年齢なら、淀川長治という映画解説者がいたことすら知らないかもしれません。そういう知らないネタをやらされるわけですね。つまりは、ケロロ軍曹とは、そういう作品であると。これはケロロ軍曹を解釈する上で特筆すべきポイントですね。

 しかし、誤解すべきではないのは、だからといってセブンを知らない若者がケロロ軍曹を見るべきではない、とは言っていないことです。初期のアニメブームの時代にも、若者がついて行けないディープな特撮ネタがバシバシ横行する作品がいくつもありましたが、それに拒絶されたという印象は残っていません。むしろ、作品の裏側に広がる広大な奥行きを実感することで、何か大きなものが心に残ったと言った方が良いかもしれません。

 もう1つ余談を言えば、良質なアニメの多くは、特撮とは限りませんが、たいてい広大な奥行きを背後に抱えているものだと言えます。奥行きの詳細を知っている必要などありませんが、奥行きがあるということに気付かないのでは、到底その作品を味わったとは言えないでしょう。

今回の一言 §

 堅苦しく第一艦橋と見せた後で、第一艦橋内客室といきなりくだけた雰囲気を見せる演出テンポがナイス。