2004年08月22日
トーノZEROアニメ感想スペース・レンジャー バズ・ライトイヤー total 6308 count

人間味溢れる名キャラクターが織りなす愛すべき傑作!?

Written By: トーノZERO連絡先

 謎のアニメ感想家(笑)、偽スペースレンジャー トーノZEROのアニメ感想、無限の彼方にさあ行くぞ!

前口上 §

 毎週楽しみに見ているけれど感想を書いていない作品はいくつか存在します。

 トーノZEROの基本的な感想ポリシーとしては、(比較のために引き合いに出された他の作品に批判的になることはあるにせよ)、基本的には褒める言葉しか書かないことになっています。面白くないと思った作品は、単に私がそれを面白いと思うために必要な資質を欠いているか、あるいは本当に失敗作であるか、2つのケースが考えられます。前者の場合、面白さが分からないのに批判するのは筋違い。後者の場合、失敗したらプロなら自分で分かるはずなので、ことさら声を大にして批判する意味はない、と思います。つまりどちらのケースも批判を書く意義が無いので、褒め言葉しか書きません。

 さて、こういうスタンスですと、私が感想を書いていない作品は、私が面白くないと思っている作品ではないか、という誤解を受ける可能性があると思いました。特に、好きであるが感想を書いていない作品に関して、そのような誤解を受けることは私自身にとって嬉しくないことです。

 と言うわけで、たまには毎週感想を書いていないが気に入っている作品について書いてみたいと思います。

作品名 §

スペース・レンジャー バズ・ライトイヤー

概要 §

 初めて全編を3Dコンピュータグラフィックで作成した映画(だと思う)の、「トイ・ストーリー」に登場したキャラクター、「バズ・ライトイヤー」を主人公としたアニメ作品です。

 「トイ・ストーリー」の世界の中では、バズ・ライトイヤーのアニメが放送されており、その玩具商品として販売されたものが、映画の中の「バズ・ライトイヤー」ということになります。

 そこで、作品中で放送されていた「バズ・ライトイヤーのアニメ」を実際に作ってしまったものが、これだと言えます。

 アメリカ製、30分1話完結のTVシリーズですが、最初のエピソードに相当する「スペース・レンジャー バズ・ライトイヤー ~帝王ザーグを倒せ!~」という作品があり、DVDとして販売されています。(私は未見)

 東京では2004年の4月頃からTBSの深夜番組として2話をワンセットにして放送しています。

 上記のような経緯から分かる通り、「トイ・ストーリー」のキャラクター達は登場しません。「バズ・ライトイヤー」も、「トイ・ストーリー」のバズとは別人です。通常のセルアニメ(本当にセルを使っているかコンピュータでやっているかはともかくとして)であって、3Dコンピュータグラフィックの作品ではありません。ただ、作品のアバンタイトルとして3Dコンピュータグラフィックで作成された「トイ・ストーリー」のキャラクター達がテレビを見ると、その中でアニメのバズが始まる、という内容が付きます。

キャラクター §

バズ・ライトイヤー §

 スペースレンジャー。宇宙のヒーロー。

 「無限の彼方へ、さあ行くぞ」が決め台詞。

 ミラ、ブースター、XRを率いるチームのリーダー。

 基本的には正義のために戦う、組織に忠実で優秀で堅物の宇宙の戦士です。しかし、しばしば人間味のある彼の本音が漏れて見えるところが魅力的です。

ミラ・ノヴァ §

 とある星の王女でしたが、星の危機に際して会議ばかり繰り返す母国に嫌気がさして、スペースレンジャーに入隊。バズの部下になります。

 青い肌の美女。日に焼けると肌は黄色くなります。

 物質を通り抜ける特殊能力を持っています。

 王女と呼ばれることを嫌い、経験の浅いスペースレンジャーとして任務を全うすることに誠実に取り組みます。

 きちんと、あるべきことを行う義務感があり、好感が持てる女性です。

ブースター §

 巨大な身体を持つ大メシぐらいのスペースレンジャー。

 おっとりした性格。

 もともとは農夫でしたがバズに助けられて、スペースレンジャーに入隊することに。

 XRの身勝手な「嫌な奴」ぶりを目の前にしても、彼を見捨てない親友です。

 鋭さはありませんが、包容力があります。

XR §

 ロボットのスペースレンジャー。

 口数が多く、自分では賢いつもり。

 カジノでイカサマをやるようなずるくて悪い面も持ちます。

 自分が凄くて偉いことを見せびらかそうとして、逆に墓穴を掘ることも。

 性格的には全く自己本位で駄目な奴ではありますが、それがチームの本音、弱音を代弁しているようなところがあって、憎めません。

リトルグリーンメン §

 緑の身体と、3つの目を持つ小さい人々。スペースレンジャーのために、研究開発などを行っています。

 一見して、ちょっと不気味に見えます。

 独自の行動原理を持っていて、一見して変な行動に出ることもあります。

 しかし、バズ達とは信頼関係で結ばれていて、頼りになる良い奴らです。

 いつも集団で行動します。

 不気味な外見ですが、慣れてくると、こういう奴らが友達に欲しいな、と気持ち良く思えてくるから不思議です。

 彼らは映画「トイ・ストーリー」にもクレーンゲームの景品として登場します。

ザーグ §

 バズの宿敵。悪の帝王です。

 いろいろな方法で、バズやスペースレンジャーの基地を襲います。

 しかし、部下の扱いに悩む上司という側面も持つなど、人間味のあるところも多々見せてくれるところが魅力的な敵役です。

 バズと二人で追いつめられたとき、共闘するような度量の大きさもあります。

グラビティーナ §

 バズに惚れている悪の女です。

 頭が大きく、重力をコントロールする能力を持っています。

 バズが初めて会ったとき、XRが発案した策略で、グラビティーナに気があるふりをしたため、グラビティーナはバズに惚れ込んでしまいます。

 異様に大きな頭が独特のムードを出していて、類似の雰囲気を持ったキャラクターを他作品に探すのは難しい感じです。つまり、個性的です。

 頭が大きいことと、肌が青いことを除けば、セクシーな美女です。

ここが面白い! §

 最初は、しょうもない、つまらない作品かと思っていました。

 まあ、中には、確かに「しょうもない」と言うしかないエピソードもありますが。

 全体としては、なかなかに魅力的です。

 特に、欠陥を持ち、不完全なキャラクター達が魅力的です。バズも含め、けして満点を与えられるような者達ではありません。特に、XRのような、あからさまに「嫌な奴」までいます。それにも関わらず、そういった者達が、互いを許し合い、協力して、努力によって問題を解決していくところが気持ちよいドラマになっていると思います。

 この気持ちよさこそが、私がまたバズを見たくなる理由です。

 ヒロインのミラも、肌は青いし、デザインもバタ臭くて全く趣味ではありません。しかし、彼女の性格はとても好ましい前向きなものです。見た目など慣れれば済むことですから、恋人にしたいイイ女と言っても良いでしょう。

 ブースターも、単なる大メシぐらいキャラではありません。おっとりとしていて、難しいことは分からなくても、考えるべきことは考え、通すべきことは通しています。

 そして、やはり一番の問題児はXRですね。ギャラクシーエンジェルのノーマッドに近い雰囲気がありますが、もっと繊細で駄目な奴です。ノーマッドは視聴者から愛されることが難しい雰囲気がありますが、XRは愛されることができるタイプではないかと思います。

もっと細かいところを §

 もっと細かい話をいくつかすると。

 まず、食事する馴染みの店が繰り返し出て来るのが良いですね。そして、必然的に食事シーンが多くなります。こういう描写が、キャラクターに生活感を与えてくれて、キャラの人間味も引き立ちます。

 それはさておき、TBSの放送では本国と違う順番で放送しているような気がします。今頃になって(2004年8月12日)、グラビティーナとの出会いのエピソードを放送しているというのは、明らかに順番が狂っていますよね。それとも、これは再放送で、私が初回放送を見落としていただけなのかな。まあ、見てないエピソードもいくつかあるし、見たと言ってもほとんど画面を見てなかったケースもあったりするので、あまりはっきりとは言えませんが (汗。

この作品に一言 §

 アバンタイトルでテレビの前に集まる「トイ・ストーリー」のキャラ達。そこで、エピソードによっては、バズが翼を開いてしまい、それによって周囲のキャラが後ろに倒れてしまう映像が続きます。うっかり見落としていましたが、さりげなく面白いことをやっていますね。