2004年09月13日
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ガラガラの映画館で見てきたってばよ「雪姫忍法帖だってばよ!!」「木ノ葉の里の大うん動会」

Written By: トーノZERO連絡先

 謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!

 今日の劇場版NARUTO 2本立ての感想。

NARUTO -ナルト- 木ノ葉の里の大うん動会 §

あらすじ §

 木ノ葉の里で運動会が開催されます。

 ナルトは、便意を催してトイレに駆け込もうとしますが、トイレが混んでいたり、アクシデントでトイレが使えなかったり、必死に便意を我慢しながら競技を続けます。

 最後のリレー競技で走りきってトイレに駆け込もうとするナルト。しかし、1位になったので、表彰式があるからと引き留められ、結局出してしまいます。

感想 §

 「雪姫忍法帖だってばよ!!」の前に上映された短編映画です。

 実に馬鹿馬鹿しいドタバタの内容です。

 ひたすら便意に追い立てられるナルトを描く騒がしい映画です。しかも、汚いネタです。

 特に時間を掛けて論じる意味はないか……、とも思ったのですが。

 本編とも言える長編「雪姫忍法帖だってばよ!!」を見終わってから思い返すと、ちょっと違った解釈があり得ることに気付きました。

 「雪姫忍法帖だってばよ!!」は、やや難解な部分があり、しかも渋い映画です。低年齢層の子供が喜ぶかどうかは怪しい感じを受けます。しかし、「木ノ葉の里の大うん動会」は小さなお子様が大好きな排泄ネタであり、しかも誰でも分かる単純なネタのオンパレード。

 つまり、「雪姫忍法帖だってばよ!!」が渋い方向に暴走したバランスを取るためにここに配置された短編映画ではないかと。そんな印象を受けました。

NARUTO -ナルト- 大活劇!雪姫忍法帖だってばよ!! §

あらすじ §

 カカシチームは、女優の富士風雪絵を雪の国まで護衛する任務を引き受けます。

 しかし、富士風雪絵は性格の悪い女で、しかも雪の国に行くことを極度に嫌がります。映画のロケ隊と共に、彼らは無理矢理、彼女を連れて雪の国へ行くことに。

 ところが、雪の国では忍者達に襲撃されます。富士風雪絵とは、実は雪の国の先王、風花早雪の娘、風花小雪だったのです。風花ドトウは風花早雪を殺し、政権を奪った過去がありました。

 富士風雪絵のマネージャは実は雪の国の者で、ドトウを打倒する旗印にするために彼女を雪の国に連れてくることを画策していたのでした。しかし、立ち上がった抵抗勢力は、ドトウの攻撃によって圧倒的に壊滅させられます。

 風花ドトウは、風花早雪が隠した宝の鍵となる六角水晶を風花小雪から手に入れます。

 宝とは春が来ない雪の国に春をもたらす熱の発生装置でした。風花ドトウはその事実に落胆します。

 カカシ達は、雪忍達を倒し、ナルトも風花ドトウを倒します。

 風花小雪は、雪の国の王となり、同時に女優も続けることになります。

感想 §

 分かりにくいところ、突っ込み所はかなりある映画だと思います。

 その点で、けして手放しで褒められません。

 しかし、2つの点がとても傑出していると思います。弱点を帳消しにして余りあります。

 1つは、諦めないことを強く訴える希望の映画であること。自分まで偽って諦めてしまった富士風雪絵。けして諦めないナルト。この2人の対比を通じて、前向きに生き続けることの素晴らしさがひしひしと伝わってきます。これはもう理屈ではありませんね。信念の問題です。

 もちろん、諦めなければ何でも上手く行くという単純な映画ではありません。雪の国の反ドトウ勢力は、ドトウと戦うことを諦めてはいませんでしたが、圧倒的な力で惨殺されてしまいます。それでも、前向きに生きねばならないのが人間というものでしょう。けして、諦めないことが綺麗事ではないことも、この映画では踏まえられています。

 もう1つは、映像的な見せ方の素晴らしさです。たとえば冒頭の逃げる富士風雪絵を追う集団と、それを助けるナルト、サスケ、サクラの活躍の素晴らしさは言葉による理屈ではなく、ただ次から次へと展開する映像によって満腹させられます。ほとんどを映像と動きで語り尽くせ、見る者を満足させられるのは、非常に贅沢な作り方であると同時に、作り手のセンスの優秀性も示すと思います。止め絵の美しさだけでアニメを成立させてきたスタッフでは、いきなり動かせと言われてもそう簡単に動かせないでしょう。それとは一線を画する見事さがあると思います。

 ただ、それがある種の分かりにくさを生んでいるような気もします。1つ1つの展開に必然性を与える描写があるものの、それがほんの一瞬、何の説明もされずにパッと示されるだけ、というシーンがいくつもあったような気がします。それを見落としたり、解釈できなかったりすると、展開が意味不明になった可能性があります。そういう意味で、分かりにくい映画だという印象も受けます。おそらく、何回も繰り返して見ると、いろいろ新たに分かることがでてきて奥が深まる映画ではないかと思います。そういう意味では、映画館というよりはDVD向きかも知れません。

更に感想 §

 最後に、ナルトと一騎打ちになるドトウ。そこでドトウは、これですべて終わりだ、と言います。

 この台詞が、グッと来ました。

 普通に考えれば、ここでナルトを倒せば戦いは全て自分の勝利で終わる、という意味でしょう。しかし、彼の口調はそんな勝利への願望に満ちた前向きのものには感じられませんでした。

 むしろ、既に彼は終わってしまったのだと告げているように思えます。貧乏な雪の国を何とかするには、先王の残した宝が必要だったのでしょう。しかし、宝は金に換金できるような金銀財宝ではなかったわけです。この騒動で、彼の城も燃えてしまっていますし、配下の忍者も失っています。

 だからこそ、おまえも終わりだが、自分も終わりだ、というようなニュアンスを込めた台詞でったような印象を受けました。

渋すぎるヒロイン §

 ヒロイン、富士風雪絵は美人ではありますが笑わない嫌な女です。

 これがまた渋くて良いのですが、子供向けのヒロインとは言い難いところがありますね。

繰り返されるどんでん返し §

 ヒロインは女優であり、演技をします。それによって敵も騙します。

 そして、忍者も偽装して相手を騙します。

 それによって、次々と予想外の展開が起こることが、この映画の意外性ですね。

今回の一言 §

 休日に詰めてお仕事をした代休として平日に南大沢のシネコンまで行って見てきました。

 しかし、既に人気がないのか、平日は1回しか上映がありません。休日でも2回きり。

 行ってみると、観客はオタクっぽい人ひとり、カップル一組、子供の集団(学校はどうした?)で、おおむね8人でした。凄く人気のある映画にしては寂しい感じがしますね。公開の最初の週では、興行収入的に1位だったような報道を見たような気がしますが、最初だけだったのでしょうか。まあ、平日は子供が来られないのでやむを得ませんが。休日でも上映2回は少ないですね。やはり、あまり子供向きではない渋すぎる映画ということでしょうか。

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