2004年09月26日
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株式会社ピーデーロゴ

Written By: 川俣 晶連絡先

 さる講演を行う際に、講演者側で提出する情報の中に、「貴社ロゴデータ」などという予想もしなかったものを発見して大弱り。

無いというわけではないのですよ §

 一応、名刺に入っているロゴというのがあって、これは故・近沢隆光氏が仕上げたものです。「適当にIllustrator」ででっちあげたいっていましたが、本業は看板ですから、ロゴの扱いはプロそのもの。出来はけして悪くないものですが、1つだけ問題が。

 その問題とは、電子データでこちらが正常に扱えなかったことです。

 当然、ロゴ作成時点ではフォントを使用して作成しているわけです。しかし、フォントは全ての環境にあるわけではないので、アウトライン分解が必要です。しかし、アウトライン分解したところ、抜けるべきところが抜けていない(つまり真っ黒)という現象が発生しました。これを近沢氏は解決できませんでした。

 その結果、Illustratorのファイルは捨てました。やむを得ません。

 その後、名刺のロゴをスキャナで取り込んだ画像を縮小した低解像度のビットマップを使ったことはあります。しかし、Illustratorのファイルでロゴを使うという機会はありませんでした。

 しかし、今回のこの要求形式は、「イラストレーターで作成されたデータ」か「EPS、Tiff、BMPデータなどの場合は、350dpi以上」という条件です。手元にある低解像度のビットマップでは要求に対応できないし、かといって、スキャナで取り込んだ画像はゴミが入って綺麗とは言えません。

どうしよう…… §

 ありません、と謝るのが最も簡単。

 別にロゴが提出できない会社があっても問題ないだろうし。

 しかし、ふと「今時のIllustratorって、ビットマップからアウトライン抽出の機能って標準で装備しているんだろうか」と思いました。Adobe Streamlineのようなソフトはあったはずですから。調べてみると、Adobe CS SuiteにStreamlineは入っていないらしいものの、Illustratorにはアウトライン抽出機能が入っていました。

これはラッキー! §

 Illustrator CS上に低解像度のビットマップを読み込んで、しばらく試してみたところ、使い方はばっちり理解。

 アウトライン抽出機能でアウトラインを取り出して、ロゴのアウトラインが取り出せました。

株式会社ピーデーロゴ

 エッジが甘く、線の太さも一定していませんが、そんなものはアンカーをちょいちょいと直せば良いだけのこと。

 と思ったのですが……。

正確な線、正確なエッジは正解ですか? §

 どうも見ていると、このままの方が好感が持てる気がしてきました。

 曲線そのものは、ベジェ曲線(?)ですから、醜いわけがありません。そして、エッジが正確に直角でなかったり、線の太さが一定しないことは親しみやすさや、視覚的印象を単純化させない効能がありそうです。

 なんだ、こっち方が良いではないか。

 というわけで、とりあえずこのファイルをオフィシャルな株式会社ピーデーのロゴとして使っていきたいと思います。

 それにしても、本当に久々にIllustratorを使ったなぁ。実はIllustratorって好きではないので、あまり使っていないのです。PhotoShopやPageMakerはかなり使ってますが。