謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!
今日の巌窟王の感想。
サブタイトル §
第二幕 月に朝日が昇るまで
あらすじ §
アルベールは盗賊に誘拐されます。
身代金がフランツに要求されます。しかし、深夜に金策もできず、やむを得ずモンテクリスト伯爵のところに駆け込みます。
伯爵はアルベールを助ける手助けを承諾します。
アルベールは時間切れで拷問を受けることになります。そこで、盗賊メンバーの女の子、ペッポがアルベールを庇います。
伯爵は盗賊のアジトに乗り込み、ボスと直接対決します。そこで、伯爵は裏世界では巌窟王として知られた人物であることが明らかになります。
フランツはアルベールを助けます。
しかし、助けられたアルベールは、ペッポを助け起こします。それを見たフランツは不愉快な表情になります。
助けられたお礼をしたいというアルベールに、伯爵はパリの社交界への橋渡しを依頼します。
そして、アルベールが拾った金時計を伯爵は記念にとアルベールにプレゼントします。
アルベールはペッポとの約束があることを気にしてパリに帰りたくありませんでした。しかし、伯爵はペッポが男だと告げ、アルベールは帰る気になります。
伯爵とアルベールは三ヶ月後の再会を約束します。
フランツとアルベールはパリに戻ります。
感想 §
アルベールとフランツは、まさに伯爵の手の上で踊っている感じですね。
もちろん、表面的には、あくまで間抜けなアルベールと、必死にそれを助けようとするフランツを伯爵が手助けした形に見えます。
しかし、これがアルベールを追いつめるための策略の一部であることは間違いないでしょう。どこまでが伯爵の策略であるかは正確に明確に描写されていませんが、少なくともアルベールやフランツに恩をうりつつパリの社交界に出るためのつてをしっかりと確保しています。
そして面白いのは、三角関係。
フランツが密かに惚れているのはアルベール。しかしアルベールは気付いていません。もちろん、アルベールはノーマルです。そして、フランツも、少なくとも女と寝ることを前提に女の部屋にまで行くあたりを見る限り、女が駄目ということは無さそうです。つまり両性愛者と見るべきでしょうか。でも本命はあくまでアルベール。そんなフランツがせっかく必死にアルベールを助けたと思ったら、アルベールは盗賊の娘ペッポにぞっこん。何という不幸なフランツ。怒るのも無理はありませんね。しかし、アルベールはそれに気付きもしません。何という三角関係。
そして、伯爵がペッポが男であると告げることで、悲劇が拡大します。おそらく、ペッポが男だという話は、伯爵の嘘であるような気がします。では、なぜ伯爵はそんな嘘をついたのか。それは、アルベールとフランツの関係に対する1つの時限爆弾としてではないか、という気がします。フランツは、アルベールがペッポと会うことを望んでいません。ですから、この話によってアルベールがペッポに対する興味を失うことは、彼にとっては望ましい出来事です。しかし、アルベールが男には興味がない、と言うことを明確な態度で示すことは、逆にフランツとアルベールが結ばれる可能性を強く否定することにもつながります。つまり、この話によって、フランツは相反する良いことと悪いことを同時に突き付けられたことになります。これも伯爵の復讐の一環かもしれません。
それはさておき、伯爵が嘘を付いていなかった場合、実は全員男だけで発生した三角関係という面白い状況が描かれていたことになります。つまり、ノーマルと、服装は正常だが同性愛者と、服装倒錯+同性愛者というタイプの異なる3人が絡み合ったことになります。これも面白いですね。
今回の名台詞 §
盗賊の使い「俺にも生活ってもんがありまして」
性関係が倒錯した三角関係の横に、このような生活感のある台詞があることが本作の魅力と言えますね。