2004年10月22日
トーノZEROアニメ感想舞-HiMEtotal 2896 count

胸がぺったんこであるがゆえに危ないお兄さん達に狙われる恐れがある命ちゃん!?

Written By: トーノZERO連絡先

 謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!

 今日の舞-HiMEの感想。

サブタイトル §

第四話「風のイ・タ・ズ・ラ」

あらすじ §

 学校で下着泥棒が出ます。

 なつきも下着を取られます。彼女は、ノーパンで恥ずかしそうに歩いているところに、なつきに気がある剣道部の武田に出会います。

 そこに、舞衣と命も通りかかります。

 突如、戦闘意欲をたぎらせる命となつき。

 ところがその闘気に空気が舞い上がると、なつきのスカートがまくれあがって、武田は中身を目撃してしまいます。なつきは真っ赤になります。

 舞衣はなつきにスパッツを貸し、そのお返しに姫のことを質問します。

 なつきは、この学校には姫が集められているといい、他にも誰かは分からないが姫がいるといいます。

 姫を集めることにはオーファンを倒す他にも目的があるはずだと言い、それを妨害するためになつきは舞衣や命が学校に来ることを妨げようとしていたと言います。しかし、来てしまったものは仕方がないと休戦状態になります。

 舞衣はファミレスでバイトをしていました。

 珠洲城は、執行部員達を配置して下着泥棒を待ちかまえていました。

 武田は下着を盗んで逃走中のオーファンと偶然出会い、オーファンが落とした下着が頭の上に乗っていました。それにより、武田は犯人と間違われ、捕らえられます。そして、あくまで罪人として教会で許されます。

 なつきは、炎(ほむら)を脅して、オーファンが出る方法を聞き出します。オーファンは姫に引かれる習性があると言います。

 そこで、寮に多数の下着を干して、オーファンをおびき出す作戦になりました。

 なつきは舞衣の部屋に張り込みます。3人の姫がいる部屋にオーファンは来るだろうという読みでした。(とは明確に作中では語っていない)

 オーファンが出ます。

 なつきは戦いますが、ピンチになります。

 そこに、舞衣と命が助けに入ります。

 なつきはオーファンを倒しますが、盗まれた下着も粉々になっていました。

 それらの下着の多くは、囮として提供したなつきのコレクションでした。

感想 §

 面白いですね。

 今回のエピソード、美少女達の下着騒動という色気を見せる内容かと思いきや。

 実はここで見せているのは、下着ではありませんね。

 下着騒動という切っ掛けによって冷たい仮面がはがれ落ちて見えるようになった、なつきの人間味ある本音。それが、今回のエピソードで見せられたものです。

 そう、下着騒動が何故にここに存在していなければならないのか、その作品構成上の必然性は、けして下着の話をするだけで興奮するお子様達を喜ばせてDVDやグッズを買わせるためではないのです。

 おそらく、オーファン相手の戦いであれば、なつきは相当に周到な準備を行っていて、そう簡単に他人に弱みなど見せないでしょう。しかし、こういう日常生活レベルで突っ込まれることによって、一人では対処できない問題が発生し、舞衣らとの協調関係も生まれるわけですね。

 もう1つ、なつきの趣味が下着コレクションだというのも、思わぬ彼女の隙ですね。それを他人に知られることで、彼女も高飛車な態度は取れなくなるでしょう。弱みを見せた彼女は、逆に人間的に苦悩する魅力が出てきます。

 趣味と言えば、舞衣のファミレスでのバイトが興味深いですね。彼女は嬉しそうに、趣味と実益をかねて、いろんなバイトをするのが趣味だと言っていますが、これも言葉どおりに受け止めてはいけないと思います。彼女の立場からして、それはやらねばならないバイトなのであって、けして好きでやっていることではないはずです。この先、そういうニュアンスが作品内で提示されてくるかどうかは分かりませんが、楯を相手にざっくばらんな態度で対応するのも相手が楯だからであって、けして趣味感覚でバイトしているわけではないと思います。ましてや、可愛いコスチュームを着ることが趣味である、というような受け止め方はかなりの誤解というものでしょう。たぶん。まあ、バイトするなら(他の条件が同じとすれば)可愛い服の方が良いと思うかもしれませんが。

 それはさておき、今回の第2の主人公は武田君ですね。

 武田君となつきの間の微妙なムード。若いっていいですね。

 一方、命が持っている剣は、ちゃんと専用のケースが用意されていて、それに収納されている描写がさりげなく良いですね。この世界には、確かに常識が作用していると実感できます。

 そして、そういった描写を積み重ねて、強いところも弱いところもある少女としてなつきが親しみを持てる存在になったあと、そこで総仕上げとしてオーファンとの戦闘になります。

 そこで発生するのは、うかつにも感情のまま暴走して弱みを見せてしまうなつきと、それを揶揄することなく肯定して助けに入る舞衣と命という状況です。

 そして、ここが最も重要です。

 オーファンの触手によって身体の自由を奪われるなつきの色っぽさ。

 これは、怪物によって襲われるという危機と、性的な危機が重なり合った描写であり、二重の意味でなつきは負けることが許されません。実は、ここまで思わせぶりなお色気描写は無数にあるものの、本質的に性的なニュアンスが作品の構成の一部として同化するのは、この一瞬です。この一瞬があるが故に、これは「作品」たりえる、というよりも「優れた作品」たりえると言えるような気がします。

 そして、この性的ニュアンスこそが、少女達に結束と共感を発生させる源泉たりうる、と考えるのは少し先走りしすぎかもしれません。しかし、女性にとって大切な何かを持っているという弱さの認識を共有することによって、思いやりを持ち、相手を大切にする友情が発生したりすることもあるでしょう。たとえば、舞衣の「手を貸すのはここまでだからね」という台詞は、一見、手助けを出し惜しみしているようで冷たくも感じられますが、そうではありません。なつきは、弱みを見せた埋め合わせを必要としており、それはなつき自らがオーファンにとどめを刺すという方法によってしか達成できないものです。ゆえに、むしろ相手を思いやる心があればこそ言える台詞と言っても良いでしょう。

 そして、そのような結束と共感があれば、命が舞衣の胸を揉むような描写から、勘違いした安易な女性同性愛ドラマに発展する可能性も潰してくれる可能性がありそうで嬉しいですね。

今回の名台詞 §

珠洲城 「ところでぶぶづけってなに?」

隣の女の子「おちゃづけ」

 これは笑いました。

 盛大に「ぶぶづけ女」と罵倒している割に、言葉の意味を知らなかったとは。理屈を置き去りに暴走できるのが若さですね。

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