2004年11月05日
トーノZEROアニメ感想舞-HiMEtotal 3625 count

サブタイトルに顔文字(^^;)も入る自称17歳の恥ずかしいコスプレ戦闘!?

Written By: トーノZERO連絡先

 謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!

 今日の舞-HiMEの感想。

サブタイトル §

第6話「もえる十七歳(^^;)」

(注: 顔文字は正規のサブタイトルの一部です。ただし放送画面に出たサブタイトルのアップアロー記号"^"は、むしろ「高い位置にある短い横棒」という風に見えます。その点で、解釈の余地があります)

あらすじ §

 神社の娘である宗像詩帆の依頼で、楯、舞衣、巧海、命は結婚式の手伝いのバイトをすることになります。それを聞いた舞衣のバイト仲間の杉浦碧は、準備当日に神社の倉に潜り込みます。

 式当日、杉浦碧は倉の中の取ってはならない封印を解いてしまいます。封印されていた怪物が出現し、舞衣、命、密かに情報を集めて事態を察知したなつきは戦う羽目になります。しかし、舞衣のチャイルドを出すかどうかで揉めている間に、ファミレスのウェイトレス服に着替えた杉浦碧が崖の上に現れ、「姫」の力で戦い、怪物を倒します。

 杉浦碧は、舞衣のクラスに現れ、自分が教師であると言います。

感想 §

 今回は、うっかりすると、単純な話のように見えます。

 まず、巫女さんのコスチュームを着るバイトの話で男性視聴者の目を楽しませ。

 次に、純情な中学生の恋に対する嫉妬と不安を描いて男性視聴者のロリコン魂をくすぐり。

 最後は、男性視聴者が大好きなファミレスのウェイトレス服を着込んだ戦うヒロインの鮮やかな戦いでフィニッシュ。

 そんな単純な話ということで終わるのかな、と思いましたが。

 それで終わっていいわけないでしょ!

 あっさりめの印象とは裏腹に、よく見ればなかなか凄いことになっていますよ。

 まず、非常にさりげない伏線(?)として、ファミレスに客として来ている深優・グリーアを見て驚いてコップを割ってしまう日暮あかねというシーンがありますね。これがいかなる意味を持つかは、今回はまったく触れられていません。先の楽しみでしょう。

 そして、風呂のシーン。入浴して色気のある会話をしている少女達と、薪をくべている楯と巧海という対比になりますが、ここで注目すべきは、裸の少女達でも、舞衣を意識する楯でもなく、むしろ姉を強く意識する巧海でしょう。最近のオタク相手のビジネスでは、圧倒的に「姉」よりも「妹」が商品になっていると感じますが、ここでは「姉」が問題にされています。巧海から見た姉は最高に素晴らしい存在でしょう。それは依存するものであり、自らを愛するたった一人の肉親であり、守るべきものであり、最高の女であり、母であるのでしょう。そのような立場に感情移入してみたときの舞衣の素晴らしさは、容易に語り尽くせるものではなさそうですね。

 そして、悪人にしか見えない理事長。現場で木の上から見ているだけの炎。彼らが、何かの陰謀めいたことをしているのは確かですね。それは、「姫」の一人である杉浦碧が言うような「正義と愛と友情」の世界ではありません。つまり、オーファンを倒すために一致団結して戦えば済む話ではありません。だからこそ、今回は鮮やかに正義の戦闘美少女、ファリックガールとして戦って勝利した杉浦碧の未来にも、既に暗雲が漂うことが暗示されています。あまりに鮮やかすぎる杉浦碧の戦いと勝利は、ただそれだけでは面白くも何ともありませんが、このような背景とワンセットで把握すると急に奥行きが出てくる感じですね。

 そして、この杉浦碧というキャラクターは、それ自身が極めて興味深い存在です。単に、ウェイトレスのコスチュームが似合う乳の大きな17歳の美少女、と言うことなら、さして面白い存在とは言えません。そんな少女は、アニメ、コミックの世界には掃いて捨てるほどいます。そして、彼女が怪物と戦うとしても、それもあまりにありきたりのパターンと言えます。しかし、17歳という年齢が自称であり、実際には教師ができるだけの年齢だという状況を付け加えると、それほど単純なキャラクターではないことが推測されます。つまり、彼女はいい年をした大人であるにも関わらず高校生と同じようなノリでウェイトレスのバイトをしてみたり、正義のヒーロー気取りで戦ったことになります。しかも、戦闘時にはわざわざウェイトレスの制服に着替えています。これらは、とても大人のすることではありません。では、子供から脱皮できない大人なのかというと、論文を書くと口にしたり、古い書物に関する極めて詳しい知識を持っていたり、どうも違うような感じも匂わせます。つまり、杉浦碧というキャラクターは、極めて多面的で、正体を周囲に掴ませないような存在であるわけです。そして、自分を相手に掴ませないような態度を取ると言うことは、内面的に知られたくない何かの秘密を抱えていると推測できます。それは、杉浦碧の個々の行動だけを見ていると分かりませんが、行動を全て見渡すと存在が示唆される秘密と言えますね。全く単純なキャラクターではありません。興味深いですね。

 杉浦碧といい、この作品は一歩能動的な解釈を試みると豊潤な可能性が湧き出してくる良作と言えるかもしれません。

今回のファッション §

 式の前日の手伝い時、舞衣のファッションは制服のスカートにジャージの上でしょうか。舞衣は私服の持ち合わせが少ない、ということをさりげなく示す演出?

 巫女服やウェイトレス服よりも、こちらの方が興味深い感じです。

今回の名台詞 §

詩帆「おねがい、私のお兄ちゃんを取らないで」

舞衣「なんですと」

 何とも面白いやりとりですね。しかし、楯とは関係ないと言って詩帆を応援すると言ってしまった舞衣ちゃん。うかつですね。修羅場の予感に、わくわく。

補足 §

 本作品の長所の1つは、姫達が、謎だらけの状況の中で、自力で運命を切り開いていく必要がある点だと思います。事情を知っている大人の味方が相談に乗ってくれたり、示唆してくれたりしません。だから、なつきは自分で情報を集める必要があるし、チャイルドを呼ぶかどうかなど、戦いの中でもいろいろな迷いがあります。そこは、前向きな見どころだと思います。

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