2004年12月06日
トーノZEROアニメ感想蒼穹のファフナー total 4591 count

景気よく勝ち続けていた竜宮島に襲いかかるあまりに困難な危機!?

Written By: トーノZERO連絡先

 謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!

 今日のファフナーの感想。

サブタイトル §

第22話 「守護 ~ちから~」

あらすじ §

 コアは、日本人が子供を残せなくなった理由を、「ミールが人を死から守ろうとして生を奪った。それが日本人から子供を奪ったこと」と説明します。そして、ミールは命を学習していると言います。

 総士は、決着を付けるために島を離れて新国連の作戦に参加することを考えます。自分もファフナーに搭乗した場合、同化されるまで18時間しかないとされますが、それでも総士は行きたいと思います。

 フェストゥムが1体だけ竜宮島に襲来します。

 それは、痛みを理解したフェストゥムが送り込んできた存在であり、敵の攻撃を跳ね返すだけのものですが、それによって次々とファフナーが撃破されていきます。

 それを皆で苦労して撃退しますが、一騎は半分同化されてしまいます。

感想 §

 自らが同化されて無くなってしまうことを覚悟した総士が、みんなと一緒に最後の戦いに出撃する感動のドラマに突き進むように思わせておきながら。

 しかし、痛みを理解したフェストゥムの攻撃によって、楽勝だったはずのファフナーの防衛戦闘は地獄と化します。決戦に参加するどころの話ではなく、地下深くの総士のいる場所さえ同化に危険にさらされます。そして、一騎も半分同化し、最後には腕だけしか動かせない状態に陥ります。

 まったく、予想通りにしてくれない作品ですね。

 しかし、視聴者を踏みにじっているわけでもありません。

 フェストゥムが新しい戦い方を手に入れて来ることは、いろいろな形で既に提示されているからです。

 それがあまりに唐突に来たように見えるのは、そのタイミングが予測できないという理由によるものであって、けして視聴者への誠実さを捨てているわけではありません。

 むしろ意外性という価値を提供するという誠実さを示してくれていると言えますね。

更に某人気ロボットアニメと比較して §

 10月から某人気ロボットアニメの続編が放送開始しています。

 なぜかファフナーとキャラの顔がよく似ていたりしますが。似ているのはそのレベルであって、作品の本質的な水準ははるかにファフナーの方が高いような印象があります。おそらく、人やメカについての事実関係を書いた設定書だけなら、某ロボットアニメの方が圧倒的に多いのでしょう。しかし、作品の本質に関わる部分についていえば、おそらくはファフナーの方が何倍も多い情報量を持っているだろうと思います。それだけファフナーの方が凄いということですね。

 むしろ、こう言った方が良いでしょうか。ファフナーという作品は、複雑で情報量が多いように見えながら、実はそれは断片が相互の関連を知らせずに見せられたことによって発生した心地よい錯覚であり、最終的にファフナーという作品が描いたことはシンプルな構造に収れんするであろう、という気がします。そういう意味で、実は表面的な事実関係に関する情報量はさほど多くはならないと思います。そのかわり、とてつもない奥行きが作品の奥底に横たわっています。それは、人間、現代、社会に向けて真摯に問いかける誠実な知的メッセージであると言えます。しかし、某ロボットアニメは、表面的な情報量は多いものの、真摯な奥行きについてはファフナーに負けている……というような印象を受けます。(少なくとも、これまで見た範囲では)

 もちろん、話はそんな単純に総括できてしまうものではありませんが。

 某ロボットアニメを見ていると、やっぱりファフナーはとてつもなく良いな、という気持ちになれる状況に理屈を付けると以上のような話になります。

今回の名台詞 §

コア「人だけがなぜ悲しいと思うのか。その答えを出す可能性を人は持っているの」

コア「道はあなたの中にあるよ、史彦」

カノン「この島にいることを選びたい」

 また良い台詞がたくさん。素晴らしいですね。