2005年01月06日
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品のある傑作! アニメの黄昏、オタクの黄昏に差し込む希望の光!?

Written By: トーノZERO連絡先

 謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!

 今日のネギま!の感想。

サブタイトル §

第1話 「I時間目」

あらすじ §

 新学期初日。

 神楽坂明日菜は、大好きな高畑先生が担任になってくれるようにとおまじないをします。

 その結果、遅刻しそうになりますが、途中で場違いな子供から失恋の相が出ていると言われて怒ります。

 その子供は、ネギ・スプリングフィールドという10歳の少年で、彼女のクラスの担任になりました。

 ネギは、クラスの女の子達の人気者となります。

 しかし、明日菜はネギが魔法を使うところを目撃してしまい、彼には秘密があると疑います。

感想 §

 宇宙戦艦ヤマトを契機としたアニメブームが始まってからしばらくして、私は1つの願望を抱くようになりました。それは、アニメブームの終焉を見届けたい、と言うことです。どんなブームにも、始まりがあれば終わりがあります。おそらく、1980年代後半にもそれは訪れるだろう、という漠然とした予感がありました。しかし、その予感は裏切られ続け、2005年になった今も、まだアニメブームは続いています。おかげで、40にもなってまだアニメを見続ける羽目に陥っています (笑い。

 とはいえ、そろそろアニメブームの終わりが見えてきた感があります。ちなみに、個人的にアニメブームの終わりとは、アニメが無くなることではなく、質の低い作品だけが粗製濫造される時代に逆戻りすることだとしています。そして、1月の新番組としてスターシップオペレーターズ、JINKI:EXTEND、ゼノサーガと続けて見て、その志の低さ、水準の低さに愕然とさせられ、こんなに退屈なアニメばかりならば、そろそろアニメブームの終わりを宣告できる時期が近づいたかもしれないと思いました。もちろん、かつての粗製濫造アニメにも多くのファンがいたのと同様、これらのアニメにも多くのファンが付くでしょうが、それはもはや宇宙戦艦ヤマトから始まったアニメブームの流れとは別個の世界という風に見えます。

 しかし、それで終わってしまわないところが、日本のアニメの底力というべきでしょうか。

 4番目に見た新番組、魔法先生ネギま!は極めて質が高い作品ですね。

 一見して、女の子を多数並べる典型的な美少女カタログ型のオタク向けアニメに見えますが、歴然とした質と品位の差があります。オタク相手にちょろい商売をしようとしていないのが、ありありと見えます。

 むしろ、そもそもオタクを相手にしていない、とすら言えるかもしれません。他の新番組が、いずれも美少女とメカという典型的なオタク相手のちょろい商売のパターンを踏襲しているのに対して、ネギまはパターンを意図的に踏み外そうとしているような面があります。

 たとえば、OPでいうと、いきなり水着姿の女の子達がたくさん出てきてオタクに媚びているように見えますが、実は中学生らしい未発達な身体のラインで描かれていて、今ひとつセックスアピールに欠けます。もちろん、この胸のぺったんこなところに魂を燃やすロリコン達もいるでしょうが、一般的なオタク好みのデザインのラインからは逸脱していると思います。

 それから、OPでネギがクラス全員とキスをするシーンがありますが、これが凄いですね。ほんの僅か、キスを迎える少女の一瞬の動作でキャラクター性の微妙な違いを描き分けようとしているように見えます。もし、キャラクターを記号、あるいはオタクにとって都合の良い人形として扱っていた場合、これだけの人数の描き分けを行うことはかなり困難だと思います。それを可能にするには、彼女たちを血肉の通った人間として描かねばならず、それは今時のオタクの好みを逸脱するチャレンジにつながります。

 更に、本編も凄いですね。

 いきなり変なコスチュームで変な踊りをするヒロインを見せてしまいます。これを見て、視聴者に「萌え」と言わせるのは困難でしょう。むしろ「萌え」と言わせたくないが故に、このような描写をしているようにも思われます。この作品の狙いは、けして安易な「萌え」などにはないのだと。

 また、ヒロインのパンツが見えるというシーンが2回ありますが、それをモロに見せるということを行っていません。そうではなく、肝心な部分は人の頭などで隠し、クマさんのマークだけを見せるということを行っています。それは、過剰なエロチックさが無く、上品な表現だと言えます。品がある作品は私の望むところではありますが、直接的な性的描写に反応する事例の多いオタク相手の商売では、おそらくは不利でしょう。

 更に、ヒロインのスカートがネギの魔法で裂けてしまったあと、ヒロインは色気のないジャージに着替えています。この色気の無さも、非常に品があって良いですね。視聴者に性的刺激を惹起させる物体としての魅力ではなく、人間としての魅力を見せようとしているように見えます。しかし、これもオタク相手にアピールするには不利であるように思います。

 とまあ、ここまで見てきたように、品はあるがオタク相手の商売を目指しているようには見えない、というように私は受け取りました。では、客を舐めて商売を無視し、スタッフが自分たちのマスターベーションにふけっているのか、というと、それは全く違うと思います。むしろ、いわゆる今時のオタクとは別の新しい客層を意識し、それに対して真摯に何かを訴えかけようとしているように思えます。それは、没落しつつあるオタクという客層ではなく、新たに生まれつつある新しい客層を掴むための前向きの取り組みに思えます。ここでいう新しい客層とは、年若く、萌えにもヤオイにも走らず、男女関係を肯定し、男と女が同じ作品を愛好するようなタイプと考えています。それは、志の高いアニメが強い訴え続けてきた作品傾向とも合致します。

更に感想 §

 ぶっちゃけたことを言えば、実は原作コミックスを読んでいます。

 本来ならアニメファンはコミックスを読んではいけないと思います。それはアニメを楽しむ興を損なうから。実際、コミックスを1冊読んだために、アニメのプラネテスはあまりにも見るのが苦痛でありすぎて見ていません。

 そういう理由から、既に読んでしまったコミックスを原作としたアニメを見るのは、「とても怖い」という面がありました。しかし、ネギまは、そのような不安をあっさりと払拭してくれるだけの良い内容であり、とても嬉しいですね。

 内容的にも凄く良かったと思います。

今回の名台詞 §

宮崎のどか「いえ、そんなことないです」

 ネギについていろいろ言われても、それを否定する宮崎のどか。その言い方がなかなか素晴らしいですね。

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