一気に4冊読み切りました。
けっこう面白い内容だと思いました。
ただ、これが描かれた時代背景というものは意識しないといけないな、と思いました。
入手編で、
しかし、「あやかし堂のホウライ」について語る場合には、どうしても「うしおととら」を避けて通れないことが分かってきました。「あやかし堂のホウライ」の原案協力として名前が出てくる藤田和日郎氏の代表作です。
と書いた通り、「あやかし堂のホウライ」を意識する場合、この作品とは成立する時代背景が全く異なると言うことです。
たぶん、「うしおととら」の時代というのは、妖怪がまだ型にはまった解釈から解放されていない時代です。「うしおととら」は、妖怪解放の時代の流れを担った作品の1つであるような気がします。根拠はないですが。
それゆえに、1980年代に放送されたアニメ、ゲゲゲの鬼太郎の第3作を連想しながら読んだ部分があります。あれは、人間のヒロイン、夢子ちゃんが登場し、妖怪達と人間達が共存していく話でした。それは怖い妖怪とは違う別の画期的な価値観の提示であった……ような気がしますが、もちろん自信があって書いていることではありません。
メカへのこだわり §
飛行機、船、建設機械などの描写が驚くほどの細かいのが最も印象が残りました。
これは、単に男の子はメカが好きという次元ではありません。
その描写の手前に妖怪が走り回るというのは、非常に奥行きのある面白い空間になっていると思います。
女の子の水着 §
時代性を強く感じさせたのは女の子の水着がワンピースであったり、かまいたちの女がボディコンのような服を着ていることですね。
読んでいて、つい昔を懐かしんでしまうような部分があります。
第3の道 §
「うしお」と「とら」は、互いに相手を殺すことを宣言しているような関係です。
しかし、その緊張感の中で、殺す以外の第3の道が見えてくる感じなのがハートフルで良いですね。
特に、過去の因習とは違う健全な倫理性を自らの中に持つ「うしお」は魅力ある男の子です。