2005年01月24日
川俣晶の縁側過去形 本の虫感想編 total 2524 count

うしおととら 5 藤田和日郎 小学館

Written By: 川俣 晶連絡先

 これを読んでいて、本当に凄い作品に、(非常に遅れて)、出会ったと言うことが痛感されます。

 一見して、おどろおどろしい妖怪戦闘マンガに見えながら、作品の作り方が非常に論理的です。149pの地図などを見ていると、分かりやすい表現であると同時に、図示しても破綻のない構成が意識されて好感できます。

 妖怪の解釈も、不思議な生物ではなく、もっと別の何かですね。ゲゲゲの鬼太郎とは一線を画した、むしろ京極夏彦の世界に近い路線です。

 それに加えて、人間と人間の触れ合いに満ちたハートフルなストーリー展開。

 読んだ後の満足度は、本当に高いものです。

更に! §

 江呂杉君 第4話「ジャイアント&サイレント」に出てくる「けだものの槍」は、この作品の「獣の槍」のパロディだと分かったのも大いなる収穫です。

 って、それが大きな収穫かい (笑い。