2005年01月28日
トーノZEROアニメ感想舞-HiME total 2795 count

お約束でも痛いぞ、自分の心に嘘を付きまくる男の子と女の子達!?

Written By: トーノZERO連絡先

 謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!

 今日の舞-HiMEの感想。

サブタイトル §

第17話「うそつきな、唇」

あらすじ §

 理事長は、彼女の黒幕らしき怪しげな老婆達と会います。

 炎は、姫達が何をすべきかを語ります。姫達は、最後の一人になるまで、互いのチャイルドを倒すために戦わねばなりません。最後の一人には大きな力が与えられ、災厄をもたらす星を何とかできると言います。

 舞衣達は理事長に会おうとしますが戻っていません。

 舞衣は神崎黎人と出会いますが、そこで携帯電話が鳴り、舞衣は病院に行きます。

 病院では、巧海の手術のためのドナーの順番がまわってきたことが伝えられます。

 その後、偶然、病院内で楯と出会います。

 楯は、詩帆を選んだことを舞衣に告げます。

 帰り道、舞衣は未知の姫に襲われます。

感想 §

 痛い。

 痛いなぁ。

 楯君は、あまりにも痛いですよ。

 責任感で舞衣よりも詩帆ちゃんを選んでしまう楯。彼なりの責任の取り方、と言うことは言えるかもしれませんが、あまりにも痛々しいですね。

 そして、更に痛いのは、その楯の心情を最も良く把握しているのが他ならぬ詩帆ちゃんというところですね。

 詩帆ちゃんは、自分が長年待ち望んだ状況を手に入れています。つまりは、楯が自分のものになるという状況です。しかし、詩帆ちゃんにも、それが嘘の状況であるということと、この状況の楯が格好良くはないと言うことは見えているのでしょう。こうなる前であれば、詩帆が取るべき戦略は、ひたすら楯に甘えて自分だけを見るように要求し続けることでした。しかし、楯が自分だけを見るという要求が達成されてしまった今、彼女の前にあるのは予想したのとは全く異なる重苦しい状況に過ぎません。それゆえに、もはや、詩帆ちゃんは、楯が舞衣と会っていたと気付いても、そのことを糾弾しません。舞衣とは会っていないという楯の演技に合わせて、自分も演技してしまいます。実に痛々しいです。

 とはいえ、これもある種の成長と言えますね。楯が大好きな可愛い妹という自己規定をしていれば、いろいろと難しいことに頭を悩ませる問題を回避できます。しかし、もはや、そのような子供っぽい欺瞞は破綻しました。詩帆ちゃん自身も、非常に複雑な選択を迫られていることになります。

 あれ、おかしいな。

 楯の痛さについて書いていたはずが、詩帆ちゃんの痛さの話になっていた…… (汗。

 話は変わって、意外にも楯には何かありそうですね。剣道部部長が、生徒会長と、半年間、楯に干渉しないという約束を交わしたというような会話が出てきます。この生徒会長もいかにも裏がありげです。では、はたして楯の役割とはいったい何であるのか。今回、姫は12人であるという人数がはっきりと示されましたが、楯が男装の姫であるという可能性は無さそうなので、姫とは違う何かの役割を背負わされているのでしょうか?

更に感想 §

 いかにも伝統的な日本を代表する、という雰囲気の婆さん達。しかも、神道系の宗教的ムードの漂う存在ですね。けして、武士の文化ではありません。

 夷敵がどうのと、ずいぶんと時代錯誤な話をしていますが、野望もたっぷり。

 理事長のバックにあった、いかがわしいムードの源泉は彼女らだったわけですね。

 しかし!

 バックグラウンドに神道がありそうな国粋主義的婆さん達の前に出る理事長は洋装。更に、背後に控えるのはあからさまに西洋風のメイド。

 このギャップはいったい何を意味しているのでしょうか。

 実は、理事長の方も、単純にこの婆さん達の言いなりという感じではなく、何か逆らう部分を持っているのでしょうか。

今回の名台詞 §

楯「やっぱ凄いよな、おまえ」

 それが言える楯も凄いです。結局、舞衣の心情に最も近づき、思いやることができたのは楯だけです。