分かってみれば、「なんだそんなこと」ではありますが、気付かないと苦しみかねない問題に遭遇したので、以下にメモっておきます。
概要 §
ディスプレイドライバの中には、インストールされた時点で色数の設定を上書きしてしまうものがある。それによって、システムの動作が重くなる場合がある。これを解決するには、インストール後に手動で色数を再設定する。
現象 §
Toshiba Dynabook SS S8でさるゲームのベンチーマークを実行しようとしたところ、途中でプログラムが落ちるという問題が発生。ディスプレイドライバで落ちていることは判明しているので、バージョンアップを試みた。
Toshibaのサイトにはより新しいバージョンのドライバが見あたらなかったので、デバイスマネージャで表示される下記のデバイスのドライバをIntelのサイトより入手、インストールした。
Intel(R) 82852/82855 GM/GME Graphics Controller
その後、システムの動作が異様に重くなるという現象が発生。特にディスクアクセスが多発して、少々重い負荷を掛けると、マウスポインタの移動すらできないほどの高負荷状態になった。たとえば、某ネットワークゲームを別ユーザーアカウントで2個同時に起動した場合、従来は問題なく動いていたが、ディスプレイドライバ更新後は場合によっては画面が固まったり操作できないといった問題が発生するほどの状態になった。
原因 §
従来は、画面モードをHigh Color(65536色)で使用していた。しかし、Intelより入手したドライバーのセットアップファイルを使用してセットアップを完了した時点で、True Color(1677万色)に切り替えられていた。
色数が増えたことでシステムの消費メモリも増加し、より多くの仮想メモリのスワップが発生し、致命的なパフォーマンスの低下を招いたことが推測される。
解決方法 §
ディスプレイドライバのセットアップ後に、画面モードをHigh Color(65536色)に戻す。
感想 §
あまりに単純な問題ですが、うっかり見落とすといつまでも気づけないかもしれない怖い話です。High Color(65536色)とTrue Color(1677万色)で目に見えて性能差が出るような貧弱PCのユーザーは、心の隅に止めておいても良い知識かもしれません。
ちなみに、問題の本格的な調査開始から検証終了まで、30分ほどでした。費やした時間の大半は、ドライバをロールバックしたり入れ直したりした時のリブート待ちでした。(実際には不要の手順でしたが)