2005年04月01日
川俣晶の縁側ソフトウェアMagSite1開発日誌 total 4309 count

MagML仕様書 Version 0.11

Written By: 川俣 晶連絡先

MagML: MagSite Markup Language仕様書 §

 Version 0.11

 2005年03月27日

 株式会社ピーデー

 川俣晶

目的 §

 MagSite1のコンテンツ記述を楽に済ませる短縮記法を提供する。

この文書について §

 この文書はMagML自身で記述されている……はずである。

 この文書は、この文書自身で完結していない。MagSite1自身の機能、特にコンテンツに従属する画像の取り扱い機能に関する情報を含んでいない。

要求 §

  • 容易に見出しを記述できる
  • 容易にリストを記述できる
  • 容易に強調を記述できる
  • 容易にハイパーリンクを記述できる (URLを隠せる)
  • 容易にフォーマット済みテキストを記述できる (固定ピッチ。行頭空白の有効化)
  • 容易にテーブルを記述できる
  • 容易に画像表示を記述できる

概要 §

 既存の言語との互換性は意識せず、シンプルで簡単に使え、同時に拡張性に優れる言語である。XHTMLへの変換を意識している。

空白文字 §

 空白文字とは、タブ、半角空白、全角空白のいずれかの文字の1つ以上の繰り返しとする。

改行 §

 改行とは、CR, LF, CR+LFのいずれかのシーケンスとする。

マークアップの基本原則 §

 2個の連続した$記号がマークアップの開始を意味し、2個の$記号+!記号がマークアップの終わりを意味する。前者を開始マークアップ、後者を終了マークアップという。終了マークアップが出現することなく行末に達した場合は、そこに終了マークアップがあると見なす。

 終了マークアップに相当するテキストは、マークアップの外側では、そのまま記述することができる。

 マークアップの内側または外側で、$記号自身は、3個の連続した$記号によって記述することができるが、これはドル記号マークアップによって実現されるものである。

 2個の連続した$記号の次の文字から最初の空白文字、改行または文書末までの間をマークアップ名と見なす。最初の空白文字から、終了マークアップまでの間は、マークアップの内容である。マークアップの内容は、マークアップ名によって扱いが異なる。最初の空白文字が存在しない場合は、終了マークアップの手前までがマークアップ名となり、内容は存在しない。

 マークアップはネストすることができる。マークアップの内容がマークアップを含んでいても良い。

特殊文字マークアップ、ブロックマークアップ、インラインマークアップ §

 マークアップは、特殊文字マークアップ、ブロックマークアップとインラインマークアップに分けられる。ブロックマークアップとインラインマークアップは、XHTMLのブロック要素とインライン要素に対応する概念ではあるが、同じではない。

 特殊文字マークアップは構文上特別な意味を持つ文字を記述する代替記述書式を提供するもので、文字として扱われる。特殊文字マークアップには、終了マークアップが存在しない。

 ブロックマークアップはそれ自身が1行を構成している必要がある。

 インラインマークアップは1行の一部として存在することができる。

 通常、インラインマークアップの内部にはインラインマークアップを記述してネストすることができるが、ブロックマークアップの内容にブロックマークアップを記述することはできない。

マークアップ名 §

ドル記号($) §

 マークアップ名$は、$記号自身を示す。1文字の$記号に置き換えられる。

 これは特殊文字マークアップである。

カンマ記号(,) §

 マークアップ名,は、,記号自身を示す。1文字の,記号に置き換えられる。

 これは特殊文字マークアップである。

全角空白(z) §

 マークアップ名zは、全角空白文字を示す。1文字の全角空白文字に置き換えられる。

 これは特殊文字マークアップである。

半角空白(h) §

 マークアップ名hは、半角空白文字を示す。1文字のU+00A0に置き換えられる。これはHTMLの に相当する。

 これは特殊文字マークアップである。

円記号(y) §

 マークアップ名\は、円記号を示す。1文字のU+00A5に置き換えられる。

 これは特殊文字マークアップである。

 補足: U+005Cはバックスラッシュを示すコードであり、円記号を意味しない。しかし、フォントによって、円記号を表示する場合がある。フォントに関係なく、確実に円記号を指定するには、U+00A5を使用することができる。この意図を容易に実現するために、用意されたマークアップである。

見出しマークアップ(1, 2, 3, 4, 5) §

 半角数値の1から5までのマークアップ名は見出しを意味し、XHTMLのh2~h6要素に変換される。コンテンツのタイトルは、MagML外で指定される構造であるため、h1に対応するものは定義されない。内容は、見出しの文字列として認識される。内容には、ドル記号マークアップのみを含むことができる。

 ブロックマークアップである。

順序のないリスト(ul) §

 マークアップ名ulは、順序のないリストの開始または終了を示す。内容が文字列'start'の場合はリストの開始を示す。'end'の場合はリストの終了を示す。空内容の場合は、リストが開始されていない場合はリストの開始を示し、リストが開始されている場合は、リストの終了を示す。リストの開始から終了までの間のすべての行は、リストアイテムであると見なされ、XHTMLのli要素に変換される。順序のないリストマークアップそのものは、XHTMLのul要素に変換される。

 順序のないリストはネストすることができる。

 リストの終了が示されることなく終わった場合は文書末がリストの終了であると見なされる。

 ブロックマークアップである。

アンダーライン(_) §

 マークアップ名_は、アンダーラインを示す。XHTMLのspan要素+CSSのスタイル指定に置き換えられる。内容には、文字列とインラインマークアップのみを含むことができる。

 これはインラインマークアップである。

強い強調(*) §

 マークアップ名*は、強い強調を示す。XHTMLのstrong要素に置き換えられる。標準的にはボールド指定となる。内容には、文字列とインラインマークアップのみを含むことができる。

 これはインラインマークアップである。

強調(/) §

 マークアップ名/は、強調を示す。XHTMLのem要素に置き換えられる。標準的にはイタリック指定となる。内容には、文字列とインラインマークアップのみを含むことができる。

 これはインラインマークアップである。

字下げ(>) §

 マークアップ名>は、字下げの開始と終了を示す。内容が文字列'start'の場合は字下げの開始を示す。'end'の場合は字下げの終了を示す。空内容の場合は、字下げが開始されていない場合は字下げの開始を示し、字下げが開始されている場合は、字下げの終了を示す。字下げの開始から終了までの間のすべての行は、字下げされていると見なされ、XHTMLのdiv要素とCSSによる字下げ指定の組み合わせに置き換えられる。

 字下げはネストすることができる。

 字下げの終了が示されることなく終わった場合は文書末が字下げの終了であると見なされる。

 ブロックマークアップである。

ハイパーリンク(a) §

 マークアップ名aは、強調を示す。最初の空白文字と2番目の空白文字に挟まれた範囲をURIと見なし、2番目の空白文字からマークアップの終わりまでの範囲を見出しと見なす。そして、XHTMLの<a href="URI">見出し</a>に置き換えられる。2番目の空白文字は、テキスト意外の開始マークアップなどで代用することができる。

 これはインラインマークアップである。

フォーマット済みテキスト(pre) §

 マークアップ名preは、フォーマット済みテキストの開始と終了を示す。内容が文字列'start'の場合はフォーマット済みテキストの開始を示す。'end'の場合はフォーマット済みテキストの終了を示す。空内容の場合は、フォーマット済みテキストが開始されていない場合はフォーマット済みテキストの開始を示し、フォーマット済みテキストが開始されている場合は、フォーマット済みテキストの終了を示す。フォーマット済みテキストの開始から終了までの間のすべての行は、固定ピッチフォントでフォーマット済みと見なされ、XHTMLのpre要素またはそれに相当する表現に置き換えられる。

 フォーマット済みテキストはネストすることができない。

 フォーマット済みテキストの終了が示されることなく終わった場合は文書末がフォーマット済みテキストの終了であると見なされる。

 ブロックマークアップである。

テーブル(table) §

 マークアップ名tableは、テーブルの開始と終了を示す。内容が文字列'start'の場合はテーブルの開始を示す。'end'の場合はテーブルの終了を示す。空内容の場合は、テーブルが開始されていない場合はテーブルの開始を示し、テーブルが開始されている場合は、テーブルの終了を示す。テーブルの開始から終了までの間のすべての行は、カンマ区切りで表現されたテーブルの内容と見なされる。最初の1行のみth要素の変換され、残りの行はtd要素に変換される。また各行はtr要素でくくられる。全体はtable要素でくくられる。テーブルの内容にカンマ記号を記述したい場合は、カンマ記号マークアップを使用する。

 テーブルの内容に記述されたマークアップの内容に出現するカンマ記号は、テーブル内容の区切りとは見なされない。

 テーブルはネストすることができない。

 テーブルの終了が示されることなく終わった場合は文書末がテーブルの終了であると見なされる。

 ブロックマークアップである。

画像表示(img) §

 マークアップ名imgは画像のインライン表示を示す。内容は、最初の空白文字から2番目の空白文字までの間を、そのコンテンツに従属する画像データの名前(通常は番号を半角数字で記述したもの)と見なす。2番目の空白文字から3番目の空白文字までの間を、その画像を表示する横幅のピクセル数と見なす。横幅ピクセル数は省略でき、その場合はスケーリング無しを示す。横幅ピクセル数は、120, 300, 600, 750, 1000のいずれかの数字のみを指定できる。

 XHTMLのimg要素に置き換えられる。<img src="画像のURI" alt="画像の見出し" />に置き換えられる。

 これはインラインマークアップである。

画像メニュー表示(pm) §

 マークアップ名pmは添付ファイルの画像メニュー表示を示す。内容は、添付ファイルの番号を示す半角数字の文字列。

 サイズ別の選択リンク、見出しを含め、XHTMLのa要素とimg要素などに置き換えられる。(画像指定を文書内に含めない場合に文書末に付加される画像表示と同じ)

 これはブロックマークアップである。

添付ファイルリンク表示(fl) §

 マークアップ名fmは添付ファイルリンク表示を示す。内容は、添付ファイルの番号を示す半角数字の文字列。

 (ファイル指定を文書内に含めない場合に文書末に付加されるファイル指定と同じ)

 これはブロックマークアップである。

カテゴリ(cat) §

 マークアップ名catはカテゴリ文字列を示す。内容は、カテゴリ名となる文字列。

 カテゴリは、同じカテゴリに属するコンテンツ同士をグループ化して、読者に対して親切なナビゲーションを提供するために使用される。カテゴリによって発動される具体的な機能やユーザーインターフェースは応用プログラムに依存する。

 カテゴリマークアップは、レンダリング時には本文中には存在しなかったかのように扱われる。

 これはブロックマークアップである。

未知マークアップ名の処理 §

 未知のマークアップ名が出現した場合、適切なエラーメッセージに置き換えた上で処理を継続する。処理は中断されない。

トグル動作についての注意 §

 内容も文字列'start'または'end'を指定するマークアップで、これらを指定しなかった場合、既に'start'が指定されていた場合は'end'を。そうではない場合は'start'が指定されたものと見なす。その際、「既に'start'が指定されていた場合」とは、ネストの1つ上のマークアップが同じマークアップの'start'相当の機能を持っている場合を意味する。ネストの階層の中間に他のマークアップが挟まる場合は、「既に'start'が指定されていた場合」とは見なされない。

変更履歴 §

日付 バージョン 内容
2003年8月24日 - バージョン番号も付かない最初のアイデアメモ
2003年9月1日 0.01 とりあえず、形にしてみたもの
2003年9月1日 0.02 画像データの番号を名前に変更
2003年10月7日 0.03 (このバージョンは不適切であるためキャンセルされた)
2003年10月7日 0.04 ドル記号マークアップをドル記号3個に置き換え。改行を追加
2003年10月9日 0.05 マークアップ終了をドル記号2個+!記号に置き換え
2003年10月9日 0.06 timgを削除。pmとflを追加
2003年10月11日 0.07 ハイパーリンクマークアップの2番目の空白文字の代用規定を追加
2003年10月14日 0.08 imgマークアップの横幅ピクセル数の制限を追加記述
2003年10月14日 0.09 トグル動作についての注意を追加
2003年10月16日 0.10 特殊文字マークアップを追加
2005年03月27日 0.11 catマークアップの追加

end.