今日は、天外魔境III NAMIDAの発売日で、それが到着しました。
少しだけプレイしたので、それについて語りたいわけですが。
その前に、自分と天外魔境歴の関わりについて記しておく価値があるでしょう。
ざっと、それについて書きます。
絶対に凄いと思う3つ §
天外魔境に関して、誰が何と言おうと、これだけは凄いと思えるものが3つあります。
まずは、PC-Engine Super CD-ROM2用のRPG「天外魔境II 卍MARU」。
それから、OVA「天外魔境 自来也おぼろ変」のサウンドトラック。
そして、小説版「天外魔境―FAR EAST OF EDEN」全3巻です。
この3つの価値は、何はさておき非常に高いものがあって、この3つを生み出し得たと言うだけで「天外魔境」というタイトルは生まれてきた価値があると思うし、たとえ「天外魔境III NAMIDA」が論外のクソゲーだとしても、わざわざ初回限定の特別版を記念品として買う価値があると思わせるだけのものがあるのです。
以下に、それぞれがどう凄いのかを書きます。
PC-Engine Super CD-ROM2用のRPG「天外魔境II 卍MARU」 §
当時の平均的なRPGの約2倍のボリュームのある大作ではありますが、問題はボリュームではなく、内容の優秀さにあります。
ストーリーやキャラクターの面白さと、ゲームシステムの充実度、双方とも飛び抜けています。
たとえば、既にやってから何年も経過しているのに、マントーや、デューク・ぺぺなどの凄いキャラクターを鮮烈に覚えています。デューク・ぺぺというのは、愛する妻を主人公に殺されたひ弱な男なのですが、「愛しているよ卍MARU」「もう、おまえしかいないんだ」と言いながら、何回も自分の身体を改造して主人公卍MARUの前に立ちふさがってきます。そこに見える屈折した心情は、生半可なゲームでは絶対に見られない奥深くも壮絶なものです。
そして、ゲームシステムの優秀さは、最初のうちはうっかり見落としていました。説明書を見ると、やけに使えない技などがいくつもあるなと思っていました。しかし、攻略本の低レベル攻略の説明を見て、目から鱗がずっぽり落ちました。やけに使えないと思った技を複合すると、とんでもない効力を発揮するのです。こんなにも良くできたシステムは、そうそう無いと思います。
これだけの作品を生み出し得たのは、おそらくは桝田省治という才能の力によるものでしょう。それは、桝田省治を欠いた次作品、「風雲カブキ伝」の煮え切らなさに、如実に表れています。
OVA「天外魔境 自来也おぼろ変」のサウンドトラック §
OVA「天外魔境 自来也おぼろ変」は、おそらく作曲家田中公平とREDが始めて出合った作品だろうと思います。これを契機に田中公平は、広井王子に惚れ込まれ、サクラ大戦の音楽の大ブレイクへとつながる……のだろうと思います。
そのような意味で、大きな節目になった音楽ではありますが……。
実は、それとは全く別の意味で、これは凄いのです。どう凄いのかというと、いわゆる田中公平らしいパターンにあまり合致していないのです。おそらく、相当にオリジナリティが高く、自分自身を含めて模倣者がほとんどいないタイプだと思います。
そして、音楽そのものの内容がとても良いのです。繰り返し聴いて、それでも良い音楽だと思います。
話はまだ終わりません。
究極的な決めてになるのは、これが10年以上昔の音楽であるにも関わらず、未だにバラエティ番組などで和風のBGMとしてしばしば使われることです。これは、音楽としての出来の良さと、模倣者の少ないオリジナリティの高さを示す証拠ではないかと思います。
生涯、最も愛すべきCDのベスト10を決めるなら、絶対に入る1枚です。
小説版「天外魔境―FAR EAST OF EDEN」全3巻 §
P.H.チャダなる人物が書いた、海外から見た誤解された日本を舞台にした小説……、という体裁を取りつつも、ゲームらしい子供っぽいムードに流れず、大人の視点から見た奥深い人物描写などもあり、なかなか読ませてくれました。
あり得ないデタラメな描写に満ちあふれつつも、そういう作品であればこそ、純な本音をこっそり入れることができる、といった感じでしょうか。
残念ながら、具体的な内容を詳しく紹介するには多くを忘れてしまいました。
なんだか持っている/いたもの §
他にも天外関係のものをいろいろ持っています。一部は処分したものもあるので、もう持っていないものもあります。
天外魔境 ZIRIA §
PC-Engineの天外魔境 ZIRIAは、ずいぶん長いこと、秋葉原の中古屋でも見かけずに幻でした。しかし、何かの機会に新品が販売されて買ったような記憶があります。しかし、プレイは途中で続かず、中断したまま放置してしまいました (汗
2005年4月18日追記。別件で古いCDの入った箱を開いたところ、ありました。Super CD-ROM2対応版の天外魔境ZIRIA 非売品! どういう経路で入手したかは忘れましたが、もちろん非合法なことはしていないはずです。
風雲カブキ伝 §
天外魔境II 卍MARUの登場人物、カブキが独り立ちしたスピンアウト作品。
ジパングを飛び出してイギリスまで行ってしまいます。
最後までプレイしました。エンディングモドキの後もちゃんと最後まで。
中ボス、大ボスが歌いながら出てくるというのが新鮮であったり、声優の演技も非常に熱が入っていました。
しかし、ゲームとしての充実度はイマイチで、ファンサービス的な作品として見るべきかもしれません。
ドラマCD 風雲カブキ伝 アメリケン異聞 §
天外ファンでも持っていない人が多いらしいレアアイテム。
風雲カブキ伝でジパングからイギリスに行って帰ってきたカブキが、今度はアメリカに行くという話。
- 天外魔境CDドラマシリーズVol.1 風雲カブキ伝 「アメリケン異聞」 凱旋公演! カブキ伝 顛末記
- 天外魔境CDドラマシリーズVol.2 風雲カブキ伝 アメリケン異聞 大陸横断鉄道騒動記
正直、あまり面白くない気がします。いつの間にかゲーム化の企画も立ち消えたようです。
ちなみに、この企画は、集英社の「Vジャンプ」という雑誌が創刊の頃に誌面に出ていたような当てにならない記憶があります。
OVA「天外魔境 自来也おぼろ変」 §
OVA上下巻のVHSテープも持っています。確か、神保町の高岡書店で見かけて、やっと確保したような気がします。けっこうレアなアイテムかも?
ちなみに、同じ内容のDVDが天外魔境III NAMIDAの初回限定の特別パッケージ版に付属しています。
凄く面白いという感じではありませんが、やはりDVDで欲しいものです。
天外魔境真伝・攻略本&サントラCD §
天外魔境真伝は、天外魔境の登場人物を使った格闘ゲームです。
ゲーム本体は持っていませんが、なぜか攻略本とCDを買っています。
天外魔境ZERO §
通常はPC-Engine用として発売される天外魔境が、珍しく任天堂スーパーファミコン用として発売されたもの。もうあまり良く覚えていませんが、割と良くできていて、飽きずに遊べたという印象が残ります。
風雲カブキ伝の実写プロモーションビデオ §
どういう経緯で手に入れたのか忘れましたが、風雲カブキ伝の実写プロモーション映像を収録したビデオを持っていました。実写のドラマでカブキが活躍するものです。
その他サントラCD類 §
卍MARUや風雲カブキ伝のサントラCDも持っています。
天外魔境 風雲カブキ伝リプレイ §
ゲームのリプレイ本です。プレイ体験記を本にしたものです。
構成的に面白いのは、ゲーム本編がエンディングに入ったと見せ掛けてまだ続く構造を、後書きの後に本編が続くという構成で再現しているところです。
こういう本が実際に存在するので、電子出版用のXMLのスキーマで、本文の後に後書き、というような固定的な構造を見ると、徹底的に批判できます。
うーん、こうしてみると全てを網羅するにはほど遠いものの、かなりいろいろ持っているなぁ。うっかり忘れて、ここにリストアップしなかったアイテムもありそう。