全般的に §
これまで展開してきた話が全て閉じていく感じでしょうか。
読んでいて面白いですね。
惜しむらくは、サラの色っぽい格好が少ないこと。里帰りしてはやむを得ないですね。
有罪か無罪か? §
藤田がMETを追い出されたエピソードと絡め、それと同じ出来事の再現かと思いきや、実はそうではなかったという転換が面白いですね。
特に、悪い者と、その糾弾者の逆転が面白いですね。
こういう話が読めるところが、この作品の、というか細野不二彦の良いところですね。
生キタ、カイタ §
村山槐多という人物は知りませんが、特に彼の詩の力強さは凄いですね。
それを軸に展開される話がつまらないわけがありません。
終着駅 §
これもまた、悪い人が実は……というパターンで意外性が面白いですね。
どこにも悪人はいなかった(いや正確には泥棒や盗品を買おうとした男は悪人ですが)という話は良いものですね。
銀の匙 §
これもまた、「実は……」という話ですね。
子連れでパチンコしてる悪い若妻かと思いきや、実は良い娘だという話ですね。
銀のスプーンと銀の玉を交換し、しかも日本銀行の人間が出るという銀揃い。なかなか洒落た話ですね。
最終シリーズ §
これは!
長いし、しかも、非常に多くの登場人物が出てきます。過去のシリーズに出てきた印象的な人物達も幾人か良い出番を与えられています。っていうかオールスター総出演?
しかも、藤田がこだわるモナリザも主要なモチーフとなって出てきます。
これだけ詰め込んでいるにも関わらず、全体が非常に上手く構成されていて、破綻がありません。まさに最終シリーズにふさわしい名作ですね。よくぞ、これだけの話が作れたと思います。
そして、何より最後に、モナリザの真作よりもサラを選ぶ藤田という1回しかあり得ない最高のシーンをラストに持ってきたのは素晴らしいですね。
1巻から全てを通して §
結局、全巻コミックスを読んでしまいましたが、非常に面白かったと思います。