2005年05月24日
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とてつもなくデザイン論的に正しい三段宇宙空母にクラクラ!?

Written By: トーノZERO連絡先

 謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!

 今日のガオガイガーFINALの感想。

サブタイトル §

第7話 「 復活の白き方舟! 」

あらすじ §

 かつて、ゾヌーダ化を経験した命は、パレス粒子の影響を自ら排して我に返ります。

 パピヨンに事情を聞き、命は活動できるのは自分だけと必死なります。ルネを助け、ガオファイガーの残骸を見に行き、泣きます。

 ルネは、自分を襲ったソール11遊星主の女を追って行きます。そこで、ソルダートジェイを助け出します。二人はソール11遊星主の2体と戦います。勝利間近になって、ソール11遊星主のアベルが割って入ります。ピンチになるルネとジェイに、命はガンドーベルとガングルーを連れて助けに入ります。マモルも来ます。

 ジェイはジェイアークを復活させ、みんなを乗せて飛び立ちます。

 ソール11遊星主は宇宙空母で追撃してきます。戒道を宇宙空母の生体コンピュータとして、ジェイに攻撃させません。

 ジェイは水中に自ら落下してキングジェイダーに変形し、戒道を助けようと取り付きます。

 宇宙空母は、逆に上昇します。宇宙空間には、複製されたGGGのオービットベースとロボット達が待ちかまえていて、ジェイを狙っています。複製されたガオファイガーには、正気を失ったように見えるガイが載っています。

感想 §

 これは凄い。

 主役である筈の者達が、繰り返し否定されていく壮絶なドラマですね。

 まず、本来の主人公であるはずのマモルがガイに倒され、否定されます。(偽物ではありますが)

 そして、宇宙を守るために命令違反となってまで飛び出したGGGも、精神をやられて主役としてのヒーロー性が否定されます。

 更に、ただ一人、戦い続けたガイも敗北します。

 ここに来て、やや影が薄かったルネの存在感が急上昇します。

 そして、ソルダートジェイが救助され、キングジェイダーがガオファイガーに代わる新たなるヒーローとしての立場に立ちます。

 それと平行して、命もガイの不在をけなげに埋めるヒーローの立場に立ちます。

 彼らの前に立ちふさがるのは、ガオファイガーとガイ。つまり、本作でこれまでヒーローであった存在です。本来の主人公であるガオガイガーとマモルを倒したガオファイガーとガイが、今度は、倒されるべき敵として出現します。そして、彼を倒すべき現在のヒーロー達のうち、ルネと命は、ガイを愛する女性という厳しい状況です。

 あらゆる主役性、ヒーロー性を否定し、否定を行った者もまた否定されていく。このようなドラマの構造は、「神話」と呼ぶのがふさわしいように思われます。つまり「これは勇者王神話の集大成である」とナレーションされる「神話」です。

 またかという気もしますが。神話というキーワードで連想されるのはやはりスペース1999です。何者かの超越的な意思に選ばれたムーンベースアルファの男女が、アダムとイブになるというようなエピソードもあるのです。直接似ているわけではないので、詳しくは取り上げませんが。

更に感想。命の活躍 §

 今回、もっとも印象的なのは、ソルダートジェイよりも命の活躍ですね。

 とても戦闘に耐えるとは思えない女の子でありながら、ガンドーベルとガングルーを連れて来るという思いもよらない裏技で、よりによって強力な戦士であるルネとソルダートジェイのピンチを救うという意外性。とても魅力がありますね。

今回の一言「宇宙艦デザイン論」 §

 ソール11遊星主の宇宙空母は、凄く良いですね。格好良いし、渋いし、魅力があります。

 特に、これはデザイン論的に正しい宇宙空母であると考えられる点が、特に秀逸です。

 極私的な宇宙戦艦デザイン論からすると、今時の多くのアニメに出てくる宇宙戦艦のデザインは間違っています。つまり、無数の理屈を重ねてデザインを生み出したとしても、理屈を共有していない視聴者にはアピールしないということです。宇宙戦艦とは架空の存在であり、それがリアリティを視聴者に感じさせるリアルなデザインなどというものは存在しません。つまり、リアリティは似て非なるものに対する連想によって補強するしかないのです。

 そこから導かれる結論は、宇宙戦艦とは水上艦船としての戦艦のデザインと宇宙ロケットのデザインの複合体にならざるを得ないと言うことです。つまり、宇宙戦艦とは、細長いボディに艦橋のような構造物と長い砲身を持つ砲塔を持ち、そして背後には宇宙ロケットを連想させる大きな噴射口が必要です。

 このようなデザインポリシーに沿って、ガレージキットのラト姫物語「ナサ級高速戦艦」などはデザインされていますが、宇宙戦艦であると納得させるという点では十分なパワーがあったと感じます。

 そして、ジェイアークはまさに、この条件を満たしている点で、優れた宇宙戦艦であると思います。

 もちろん話はここで終わりません。

 では宇宙空母のリアリティはどうなるのかと言えば、砲塔ではなく広い平面が、擬似的な宇宙空母らしいリアリティをもたらすと考えられます。

 もちろん、空気のない宇宙空間で使うことを考えれば、滑走距離を取るための広い平面など必要はないでしょう。しかし、そのような理屈は、見た目の第1印象から受ける印象を好転させるのに役立ちません。つまりは、理屈に合っていなくても、平面は必要なのです。あとは、それにどう色気を付けて料理するかのデザインセンスの問題です。

 そして、ソール11遊星主の宇宙空母は、まさにこのデザイン論的に正しいデザインであるだけでなく、それを料理するセンスも秀逸。実に素晴らしい宇宙空母ですね。

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