八王子市郷土資料館の、平成15年の特別展「武州高尾山をめぐる庶民の信仰」の図録です。
高尾山というのは、特別な思い入れのある山です。
とはいえ、その主要な理由は、子供の頃から何回も行ったことがあり、かつ、京王電車との関係も深いという理由に過ぎません。
本来、高尾山とは宗教的な存在であり、いろいろ奥深い話がありそうだ……と思っていました。
というわけで興味を持って買ってみました。
内容はなかなか興味深いものがあります。
まず、高尾山薬王院は744年に行基が開山。そして、永和年間(1375-79)に俊源が中興開山。かなり古いですね。それにも関わらず、現代にも高尾山講が存在し、信仰が続いていると言います。
たとえば、こんな話が載っています。
高尾山で御札を貰って帰る途中でバイクでこけたものの軽症。しかし、御札がありません。きっと身代わりになってくれたのだと思い、高尾山を信仰するようになった、というれっきとした現代の話が載っています。
小学校の遠足レベルで気軽に登っていた山に、これほど深い現在進行形の信仰が存在していたとは。実に興味深いですね。