2005年07月16日
川俣晶の縁側過去形 本の虫感想編 total 1676 count

PLUTO (1)(2) 浦沢直樹 小学館

Written By: 川俣 晶連絡先

 まあ、電車の中、等でサクサクッと読み終わったわけですが。

 感想としては、鉄腕アトムではなく、アシモフの鋼鉄都市を連想しました。

 人間を殺せないはずのロボットが人間を殺した疑惑、人間そっくりのロボットの捜査官、人間そっくりのロボットが食べても意味がない人間の食べ物を食べる描写、ロボットアレルギーの人間との摩擦、等々……。

 これらは、全て鋼鉄都市の特徴と見ることができます。

 私はアトムに熱狂したことはない世代です。しかし、子供時代にアシモフ(ら)の洗礼は受けました。だから、このような受け取り方は、一般的なこの作品の受け取り方とは違うかもしれません。

 しかし、だからといって、マンガと特撮とアニメしか知らないマニア的な視点に立って、アトムとの対比だけで語るのはあまり良いことではないような気がします。作品のバックグラウンドに広がる他ジャンルも踏まえるべきであって、けしてタコツボの中の身内の論理だけで語るべきではないような気がします。

 というのは、Comic新現実Vol.5を読みつつつらつらと思ったりすることではありますが、まさにその好例が意図せずして目の前に飛び出してきた感じです。つまり、Comic新現実でみなもとたろうが語っている手塚(あるいは、ときわ荘)を神様の地位から引き下ろす歴史的検証作業であるとか、蛭児神建の手記の中の他ジャンルのバックグラウンドを何も知らないファンについての記述であるとか)