謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!
今日のワンピースの感想。
サブタイトル §
「犯人は麦わら海賊団? 水の都の用心棒」
あらすじ §
ガレーラの職長達は、ルフィ海賊団をアイスバーグ襲撃の犯人と決めつけ、ルフィを攻撃します。
ルフィは反撃せず、逃げ回りますが追いつめられます。
フランキーは喧嘩を邪魔されたことに腹を立てて大きな空気大砲を撃ちます。
その隙に、ルフィとナミはその場を逃れます。
ルフィは、アイスバーグに会いに行きます。アイスバーグは部屋にルフィを招き入れますが、ロビンを見たとはっきり証言し、ルフィを信用せず、ただもう一度ロビンに会わせろと要求します。
サンジとチョッパーは、それと知られないようにウソップに高潮が来ることを伝えます。
感想 §
これは凄いですね。
この内容、普通のアニメの水準ではないです。
法の保護の外 §
鼻が尖ったガレーラの男が「おまえたち海賊は、誰に何をされても文句は言えん」と言っていますが、その通り。海賊とは、そういう存在です。しかし、それだけではありません。実は、ガレーラカンパニーも、ある意味で法の保護の外側にある組織といえるのです。彼らは、海賊相手にすら船を作り、売ります。その商売において、商売の筋を通すには、法の保護だけでは不十分です。それゆえに、自らの力で秩序を打ち立てる力を保有します。しかし、そのようなガレーラのやり方は、公平でも冷静でもありません。仲間達が熱くなり、1つの方向に向かって突き進むと、歯止めが掛かりません。通常、法にはある種の歯止めが用意されるのが普通ですが、それに依存しないガレーラの男達に歯止めはありません。つまり、裁判も無しに一方的に潰していくという結果になるのです。
ガレーラも麦わら海賊団も、気のいい奴らの集まりではありますが、一度ボタンの掛け違いが発生すると、そこまで際限なくエスカレートしていくわけです。
そのような組織の性質を、行き当たりばったりではなく、正しく把握して長期的に描いているところが、実に凄い作品だと思います。
封じられた言葉の力 §
アイスバーグがルフィに言う「口を開くな。おまえの言葉にはもう力はない」という言葉は、とても痛烈です。
アニメにおいて、言葉は力となります。
どんな状況に追い込まれようとも、言葉による説得で状況を打開してしまう作品がいかに多いか。
もちろん、状況を打開しうるだけの熱い言葉は魅力的なものであり、それを描こうとする態度が間違いだとは思いません。
しかし、そのようなやり方を、この作品は封じてしまったのです。
何と志の高いことか!
普通のアニメなら、濡れ衣を着せられたルフィが熱い言葉をアイスバーグに語ることで事態を打開することができるでしょう。それが、よくあるパターンであり、期待されるお約束の展開です。しかし、この作品は、それを封じたのです。つまり、あえて難しいやり方を選んだわけです。
この先、いったい何を見せてくれるのか。
ワクワクしますね。
色気 §
アイスバーグ襲撃犯の一味と思われて、暴徒に襲われるナミ。このシーンで、ナミは積極的な行動に出られません。無実だと思っているし、しかも状況が完全に把握できていません。保護を求めるべき強い仲間も近くにいません。しかし、暴徒の方はためらう理由が何もありません。積極的にナミの身体を拘束しようとします。法の保護の外にある海賊は何をされても文句は言えないという状況から考えれば、それこそ、元気のある若い娘であるナミは、暴徒からレイプ、輪姦のような暴虐を正義の処罰と称して受けかねない危機感すら感じさせます。このような展開は、実に色気があります。
そして、フランキーの一撃のおかげでルフィと脱出するシーンでは、ルフィにぴったりとしがみつくナミという色気のあるビジュアルも見ることができます。このシーンで、まさに「か弱い」ナミはルフィしか頼る者はなく、ルフィはただひたすら助けるべき仲間としてナミだけを見つめます。この二人だけの世界は、実に色気があります。
もう1つ、ナミといえば。「麦わらが逃げるぞ」のシーンのナミの身体が、あからさまに人体デッサンの線を無視した非常にナイスなラインでドキドキ!
いや本当に、これは凄い作品ですねぇ。
ワンピースというと子供だましで大人が見るものではないと思い込み、馬鹿にして見ない人も多いですが、とんでもないことですね。
