グリム「こうして飛べるなんてとても誇らしいですよ」
チョッパー「展示飛行だ。お上品に飛ぶぞ、ブービー」
ナガセ「全機、動きをそろえて、お互い離れないように。ブレイズ、いい?」
ブレイズ「(Yes!)」
ナガセ「問題無しね。では始めましょう」
サンダーヘッド「所定の時間だ。展示飛行を開始せよ」
チョッパー「いいぞブービー、華麗に決まってるぞ」
グリム「ところで、例の件、副大統領への直訴というのを本当にやるんですか?」
チョッパー「当然だ。サンド島の食生活の貧しさと言ったら無いぞ。整備員が海で釣ってきたシーフードばかり食わされて、いい加減肉も食いたいぞ。スタジアム上空を通過するときに拡声器で副大統領に直訴だ」
ナガセ「気が進まないけど、確かに食生活は士気に影響するわね。いくらユークの潜水艦が出るからといって、燃料武器弾薬しか補給しないのは問題だわ」
グリム「でも、誰が言うんですか?」
スノー「隊長! ここはあんたでなくては!」
グリム「あれ、今、海軍航空隊のスノー大尉の声がしたような……」
チョッパー「気にするな。気のせいだ」
ナガセ「ブレイズ、それじゃ予行演習をしてみましょう」
ブレイズ「あー、あー。僕らも美味しいものを食べたいです」
ナガセ「もっと食べたいものを具体的に!」
ブレイズ「具体的と言われても……」
グリム「これこそ、食生活改善の切り札、決まり手になるようなメニューを」
チョッパー「なら、スパゲッティに決まってるぞ。ハンバーグでもいいぞ」
ナガセ「それじゃ、子供が大好きな定番メニューだわ」
チョッパー「ち、ダメなのか。それじゃ決まり手といえば……」
ブレイズ「カレーだ!」
チョッパー「いいぞブービー、カレーに決まってるぞ!」
後日、サンド島には基地の全員が一ヶ月間、朝昼晩と食べ続けても足りるほど大量のレトルトカレーが届けられたという。ただし、それは全てシーフードカレーだったという話である。
環太平洋戦争(ベルカ事変)における最大の英雄かつ功労者であり、戦後その消息が全く謎であるオーシア国防空軍第108戦術戦闘飛行隊の『サンド島中隊』がサンド島から逃亡した理由は、シーフードばかりの食生活が限界に達したから……、特に大量のシーフードカレーとどめになったとの説は未だに根強い……。